3話~デートの口実
「ところで王子~?今日のお昼はお外でランチしません?」
「なんだ藪から棒に。」
「だってレキシーちゃんが来るんでしょう?大体その後お外に連れ出される。もといくり出されるじゃないですか。
私もロイヤルガードとしてついて行きますけど、レキシーちゃんだけずるくないですか?」
「ずるいってなんだよずるいって。
仕方ないだろ。あいつは少々強引な所があるし、特A級でもNO,1の位階なんだから多少のわがままは通る。
そもそも特A級の奴らには基本仕事はないしな。ようは暇なんだよ。」
「レキシーちゃんがどうこうじゃなくて、私が王子とデートできないのがずるいって言ってるんですよ。」
仕事中にデートでさぼろうとするな。と俺は言いたい。
「ああ。そういうことでしたら妙案がございます。
ちょうど軍務局の方からの事案が来ておりまして、王子にも確認して頂こうと思っていたのです。」
「軍務から?今日の仕事の中にはなかったはずだが?」
「急ぎでもございませんでしたし、私で精査してから王子に裁可を仰ぐ程度で済む内容でございました。
しかしながら、グリフィン卿のご提案もありますし、ちょうど担当の事務官も王都に来ているとのことですので、御昼食を外で食べられるついでに王子に軍務局の方に御足労頂くという事でいかがでしょう。」
「ナイスアイデアだねセバスチャン様!」
「午後からレキシーのアポもあるし、急ぎでないならわざわざ俺が行くまでもないだろう?」
「そう仰らずに。軍務局の案件は口実で御座います。
王子もたまには気を緩めてみてはいかがでしょうか。幸いにして本日の事務作業は午前中で終わりそうなご様子ですし。」
……まぁ、レキシーが来るまでずっと王城内に留まっているだけで何をするでもないし、リオンとデート出来るのは吝かではない
セバスが勧めてくるのが珍しいといえば珍しいが無いことではないしな
こいつは堅物のわりに変に気を回すところがあるからな
それが助かっていると言えば助かってるのも事実だから何とも言えんが
「………分かった。ランチに付き合おう。」
「ホントですか王子~!」
「ああ。セバスも勧めてくれてるし、美人とのランチデートは俺も望むところだしな。
軍務局での案件が終わったらその足で行けるように手筈を整えておいてくれ。」
「了解しました!任せといて~。」
「では、私も軍務局側へ連絡を入れておきましょう。」
「ああ。大げさな歓待はしない様に言っておいてくれよ。そのあとデートが控えてる。」
「畏まりました。」
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