エピローグ やっぱりヌード


「なんだか おかしな事件だったね」

 自室のベッドで久しぶりな感じで、シャワーの後、二人は裸のまま寝転がる。

「またいずれのお休みには、もう一ヶ月ほど、何もかも忘れて贅沢三昧をしていたいですわ」

 ユキが言っている願望には、素晴らしい根拠があった。

 二人の広報映像のおかげで、惑星ビンプルンを訪れる観光客は、一気に倍近くにも増えているらしい。

 リゾート惑星としては、まさにホワイト・フロール様々である。

 そんな二人への謝礼として、ペンギン・アイランドの永久名誉島民権を、マコトとユキはそれぞれに送られていた。

 銀河でも十人といない、リゾート惑星ビンプルンの、更にペンギン・アイランドの、名誉島民権。

 二人はペンギン・アイランドに於いて、いつでも、いつまでも、全てのサービスを無料提供される権利を得たのである。

「でもその時って、ボクたちはヌードだよね? コンシェルジュの男性たちは、やっぱり着衣だよね?」

「あら、私はそれでも 楽しめましてよ」

 こういう事には、ユキは順応が早い。

「マコトだって、ビンプルンのスイーツ、ほとんど楽しめなかったでしょう?」

「う…そうなんだけどさ」

 料理好きなマコトにとって、ビンプルンではドリンクやホテルの食事しか味わえなかったのが、実に残念でもある。

 事件解決から謝恩会まで、恥ずかしくて全裸で街を散策する事が、躊躇われてしまった結果だ。

「まぁ、ユキが行きたいなら いつかね」

「ええ♪」

 裸で一緒に眠る事にも慣れてしまった二人は、部屋の明かりを消して、艶めく裸身にシーツを絡め、眠りに落ちる。

 窓から見える満月と、様々な色の地上の明かりが、宝石のようにキラキラと裸身を照らしていた。


                          ~終わり~

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SF ねこうさ ゆりボイン3 八乃前 陣 @lacoon

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