ふみつなのに
あの日から3日たった月曜日、特に休日は何もなく平和に過ごした。
「はい、みんな席に座って。朝の会始めるよ~......」
ああ、また忙しい平日が始まるのか。
「今日、船洲先生が体調不良のため休みなので、代わりで朝会は枯樫がします。」
船洲(ふなず)先生はうちのクラスの担任だ。
髪は小豆色でストレートのロングヘアー。
色んな人から美人だと言われていて、女子からも男子からも支持を集めているいわゆる校内の人気者だ。
僕とは全く逆の存在で、関係もない。
あれ、何か無いような。
あ、どこかで生徒手帳を落としてきてる。
どうしよう、まあ、そう使うこともないし、いいか。
帰りに探すか。
「気をつけ、礼、さようなら。」
よし、今日はバイトが休みだから、家に直行するか。
あ、生徒手帳探すこと忘れていた。
一体どこで落としてきたんだろう。
行くとき、落ちている感じなかったし。
おとといに行ったあの病院で落としたかもな。
お見舞いついでに行くか。
駅前のお店で、何かお土産買っていくか。
確か、病院は、船井島の駅の近くだったな。
「船井島、船井島です....」
着いた、船井島だ。
病院は、たしか北口だったな。
やはり、街の中心はにぎやかだな。
えっと、病院は、こっちか。
「整理券番号132番の方、2番診察室までお越しください....」
無機質な機械の声が、呼び出しをしている。
案内はここか。
「すいません、生徒手帳の落とし物ってありますか。」
「はい、ありますが。個人情報物なので、身分証明書と照会させていただきますね。」
「あ、はい...............これでいいですかね。」
「はい、お預かりさせていただきます。」
よし、あとはお見舞いだ。
「あと、すいません、」
「はい、」
「512号室ってどこですか。」
「ええ、そこの角を曲がってもらって.......」
「ありがとうございます。」
よし、お見舞いに行くか。
「ピンポーン、5階です。」
で、確かここを右に曲がったところにあるはず。
コンコン、
「失礼します....」
ガラガラ、
「あ、あの日、助けていただいた方ですよね。」
「はい、そうです。いきなり来てしまってすいません。あの、お花なんですけども。」
「ああ、ありがとうございます。」
よかった、容態が回復している様で。
「すいません、お名前って、」
あ、そういえば言っていなかったな。
「三津園冬紀と言います。」
「三津園さんですか〜...」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます