真なるルシファーとの闘いその決着
「行くぜ! 野郎ども! 勇者ラカムのパーティー最後の闘いだ! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「このゴミムシめがっ!」
「真! 勇者アタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアク!」
「なにっ!」
ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
ラカムの真勇者アタックにより、巨大化したルシファーの腕は両断された。
「く、くそっ! このゴミムシ!」
ルシファーは残っている手でラカムを攻撃する。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
真勇者アタックは強力な一撃ではあるが、その反動でラカムは一定時間動くことができなくなるという、欠点があった。強力な攻撃にはその分スキがあることが通例なのだ。
「ラカム!」
メアリーが叫ぶ。
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
ラカムは壁に激突した。
「ふふふっ。どうだ、このゴミムシ!」
「大丈夫ですか!? ラカム!」
「ああ……なんとかな。即死は防げた」
「今治します! ヒール!」
グランは回復魔法を発動させた。大僧侶である彼の得意魔法だ。ラカムのダメージは一瞬にして回復される。
「よっしゃ! 治ったぜ! ありがとよ! グラン!」
「礼ならトールに言ってください。この力はトールから借り受けたものですから」
グランは笑う。ラカムも笑った。
「そうだな。その通りだ。サンキュー、トール」
「だから、礼ならあのルシファーを倒してからにしろって言ってるだろ」
俺も笑った。戦闘中なのに笑うとはどういうことなのか。自分で突っ込みたくなるが、なぜか笑みをこらえきれなかったのである。そういう、おかしな雰囲気にこの場はなっていた。
「へへっ。そうだったな」
「このゴミムシが! うざったい真似しやがって!」
「こちらへの警戒がゼロだぞ! 魔王軍四天王のルシファー! この聖騎士の聖なる一撃を受けるがいい! ホーリーストラアアアアアアアアアアアアアアアシュ!」
ルードは聖騎士としての力を発揮する。聖なる一撃がルシファーを襲った。
「なに! ぐわあああああああああああああああああああああああああああ!」
ルシファーの残っている片腕も粉砕される。
「イチコロ! イチコロなのよ! 大魔法使いであるメアリー様の一撃の前には例え魔王軍四天王が相手でもイチコロなんだから。ふっふっふ」
大魔法使いであるメアリーは魔法を放つ。かつては空発に終わった氷系の最上級魔法。全てを凍り付かせる絶対零度の一撃。
「フロストノヴァ! 大魔法使いメアリーの大魔法で氷漬けになっちゃいなさいよ!」
ピキィ!
「な、なに! ば、馬鹿な!」
ルシファーは凍結をした。
「ラカム! 出番よ!」
「ああ! サンキュー、メアリー! これでとどめだ! これが最後の真勇者アタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアク!」
ズバッ!
「な、なに、ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ラカムは真勇者アタックで凍結したルシファーにトドメの一撃を放つ。ルシファーは断末魔のような悲鳴をあげた。
「ば、馬鹿な! こんなこと、こんなことがあるわけが……馬鹿なっ!」
ルシファーは自分の敗北が俄かには信じきれなかったようだ。
こうしてルシファーは消滅していく。
「へっ……ありがとうな。トール」
「ああ……お前達のおかげだよ、ラカム」
俺達は手を握った。かつてなら考えられないことだった。
エミリアとセフィリスが帰ってくる。
「トール! ……あれ? ルシファーは」
「ああ。あいつならもういないよ」
「そう。倒したのね。流石はトール」
「いや、俺だけじゃない。ラカム達がいたからだ」
「……へー。そうなんだ。仲直り、したのね?」
エミリアは聞いてくる。
「まあ……そうなるかもな」
なんだっていい。とりあえずはルシファーの危機は去ったのだ。こうしてやっと俺達は一息つけるのであった。
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