セフィリスとエミリアと戦闘訓練
『弓聖』となったセフィリスは弓矢を構える。
邪神を模した俺はセフィリスとエミリアとの戦闘訓練を行う。
「はあああああああああああああああああああああああああああああ!」
弓聖の職業を与えられたセフィリスは弓を放つ。
「火の
弓聖となったセフィリスは矢を放つ。セフィリスの持っているアルテミスの弓はあらゆる属性、様々な効果を持った弓を正確無比に射る事のできる職業(ジョブ)だ。まさしく弓聖である。
俺の目の前に紅蓮の矢が襲い掛かってくる。だが、俺は邪神のコピーとなっている。邪神ネメシスができる事は大抵、俺でも行う事が可能だった。
俺は魔力障壁を展開し、セフィリスの放った矢を無効化する。
「……くっ! 氷の矢(フロストアロー)!」
セフィリスは続いて、氷の矢を放つ。
「無駄だ!」
俺はそれを手刀で切り落とす。魔力を通した鋭い手刀はそんじょそこらの剣よりもよほど斬れるし頑丈だ。
そして邪神の身体能力は異様な程高かった。
「なっ!?」
「ホーリーウォール!」
瞬く間に近づいた俺はセフィリスに斬りかかった。咄嗟に俺の攻撃をエミリアがホーリーウォール、聖なる光の壁によって、俺の斬撃は防がれた。
「ふう……」
俺は『ものまね士』の変身を解く。いつもの人間の、トールとしての姿になった。
「ふう……やっぱり、いつものトールの姿が落ち着くわね」
エミリアが胸を撫でおろす。
「これでわかっただろう? セフィリス姫。弓聖の弱点が」
「はい……近づかれると何もできませんね」
セフィリスは語る。実感したようだ。弓聖の特徴を。
「その通りだ。近づかれると何にもできない。だが、弓聖はリーチに優れたジョブなんだ。遠距離専用のジョブだな。離れた距離にいたのならば一方的に攻撃ができるというわけだ。いかに相手を近距離戦に持ち込ませないか、距離を詰めさせないかが重要な職業だな」
「相手をいかに近づかせないか」
「実戦では地形的な事もあるし、何よりも俺が前衛になるだろうから。さっきのように簡単に近づかれはしないとは思うが、それでも近づかせない工夫や戦略は必要になってくる。それじゃあ、もう少し続けようか」
「「はい!」」
俺は再度邪神となる。
こうして俺はしばらく邪神を模して、セフィリスとエミリア。三人で戦闘の訓練を行ったのであった。
それからしばらくして、俺達は邪神が再び動き出した事を知る。どうやら力を十分に蓄えることができたようだった。
かつてより強くなった邪神相手に俺達がどれほどやれるのか。果たして無事倒せるのか。
正直不安ではあった。だが、ここまできたらもうやるしかなかったのだ。
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