「君、勇者じゃなくて村人だよ」職業貸与者《ジョブ・レンダー》~パワハラ勇者達に追放されたので、貸してたジョブはすべて返してもらいます。本当は外れ職業と気づいて貸してくださいと泣きつかれても、もう遅い!
【ラカムSIDE】呪術師の館で何の呪も受けてないといわれる
【ラカムSIDE】呪術師の館で何の呪も受けてないといわれる
ラカム達は呪術師の館にきていた。目の前にいる怪しげな婆さんが呪術師である。
「むむむっ!はっ、ははーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
呪術師ババアは能力を発動した。呪術鑑定である。まず相手がどんな呪をかけられているのかを確認するのだ。
「どうだ? 婆さん、俺達の力を脅威に思った魔王軍が、俺達勇者パーティーに呪いをかけたんだろ?」
勇者だと自分では思ってるラカムが聞いた。
「私の大魔法が使えなくなったのも、きっと、その呪いのせいなのよねー! そうにきまってるわっ!」
自分が大魔法使いだと信じているメアリーは言った。
「俺の聖剣の切れ味が悪くなったのもその結果だろう。全く、魔王軍も恐ろしい事をするぜ。能力を封じる呪いをかけてくるなんて。やはり、よほど俺達勇者パーティーの真なる力が恐ろしいのだと見える」
そう、自分を聖騎士だと信じているルードは言った。
「そうです。僕の回復魔法が使えないのも、きっとそのせいです。全く、魔王軍は恐ろしい連中です。勝つためなら手段を選ばない、なんて非道な連中でしょうか!」
そう、自分を大僧侶だと信じているグランは言った。
「ははっ!! はっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
呪術師の婆は呪術鑑定を終えたようだ。
「呪術鑑定は終わったぞよ」
「ど、どうだ!? 呪術師の婆さん! 俺達にはやっぱり能力を封じる呪がかけられてたんだろっ! 早くその呪を解いてくれよ!」
「うむっ! 結論から言うとそなたらにはそのような呪など一切かけられておらんっ! 呪をかけられてないのだから、解く必要はそもそも最初からないっ!」
「「「なんだとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「なんですってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
四人は驚いていた。
「そ、そんな嘘だ! だったら俺達はどうして真なる力を発揮できないんですかっ!」
「それは知らんっ! わしは呪術師だからのっ! さあ、呪も最初からかかっていないんだし、鑑定料を払ってさっさと出ってってくれ! 他の客が待ってるんだっ!」
「く、くぅ!」
勇者だと自分で思っているラカムパーティーは呪術師の館を出て行った。
◇
「な、なんでだ? なんで俺達が真なる力を発揮できない?」
「そういえば、あのトールが俺達のパーティーを去る時、何か言っていたな? あまり覚えていないし。あの時は苦しい言い訳で嘘八百を並べたと思い流していたが」
「ん? なんだ? ルード。そういえばトールの奴何か言ってたな?」
「なんだったか……職業は俺が貸してたとか、本当は外れ職業だっただとか」
「ははっ……そういえばそんな捨て台詞を吐いていたな。ま、まあ。嘘だろうけど、一応確かめてみるか」
「う、うんっ! 私の天職は大魔法使いに決まってるんだけど、少し不安よね」
「僕の天職も大僧侶に決まってるんですが、最近少し不安になってきました」
「あっ、ああっ! まさかこの大勇者ラカム様の天職が勇者じゃないなんて事、絶対にありえないと思うけど、最近、俺も少し不安になってきたんだ。いくらなんでも力に目覚めるだめでの時間が長すぎる。いつまでも目覚めないなんて」
「ああ。俺の天職も聖騎士に決まっているんだが。呪いも受けていないとなると、なぜ力が発揮できないのか理解に苦しむ。トールの去り際の台詞。戯言だと思って流していたが、今ではそうも言ってられない」
「そうだな……職業鑑定士の館がある。そこで俺達の職業を鑑定できるんだ。念の為行ってみよう」
こうして徐々に不安を抱き始めた四人は職業鑑定士の館へ向かうのであった。
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