第15話・新たなるセクハラ対象見参!!
「きゃは♪ 君ってば面白〜い」
「まあちゃん……可愛いなあ」
「ちっ!! ……やっぱりノーベル様は斜め上を行くわね」
俺がイラに殴られているところに誰かが近づいて来たのだ。
彼女は俺の師匠が寄越した新しい仲間だった。
やっぱり師匠は俺と女の子の好みは通じるものがあると思う。
健康的に焼けた肌に大きな瞳。やべえよ、俺ってギャル系もいけるじゃん。
「スロスちゃんにイラちゃんだよね? 初めまして、私はまあちゃんだよ。きゃは♪」
「きゃは♪」
「スロス!! あんた、会話するとカロリー消費するんじゃなかったの!?」
イラが俺の耳元で大声をあげる。
うるさいなあ、俺はまあちゃんとの会話を楽しんでるんだよね。
「イラちゃんも、そんなにカリカリしないで? まあちゃんを二人のパーティーの入れて下さい! きゃは♪」
イラが顔を引き攣らせている。
イラはまあちゃんの事が気に入らないのか? こんなに可愛いのに。
「……きゃは♪ じゃないわよ!! どうして元・魔王の現役アイドルが冒険者なんてやるのよ!?」
「うーん? まあちゃんがファンのハラワタを抉っちゃったからかな?」
「へ?」
イラが間抜けヅラを晒す。
イラとまあちゃん。二人の会話は見ていると面白いな。
「ファンサでね、まあちゃんがハラワタを抉った人が病院をパンパンにするの。で、事務所にクレームの電話が鳴り止まなくなっちゃった。きゃは♪」
この、まあちゃん。数年前まで、この世界で魔王をしてたらしい。
それで当時の勇者がまあちゃんを懐柔したと言う
そして、魔王を引退し後に芸能界にスウトされてアイドルデビューしたとは師匠の手紙には書いてあったけど。
スカウトの人、グッジョブ!!
「まあちゃん、まあちゃん」
「ん? スロスちゃんはどうしたにゃ? きゃは♪」
「セクハラして良い?」
「良いわけあるかああああああ!! スロスは自制という言葉を覚えなさいよ!!」
ちっ!! じゃあ良いもん。イラにセクハラするから。
「……そそ」
「スロス!! 私にセクハラしようとするなっての!!」
「ちぇっ。……やっぱり、まあちゃんにセクハラしよう」
「良いよお♪ 私はセクハラ、ウェルカムだから。きゃは♪」
えっ!? マジで!?
「スロス……? 私にハラワタを抉られたいのなら、ご自由に?」
イラの目つきが怖いな。頼むから口から蒸気を出さないで欲しいんだけど。
「で、どうして師匠はまあちゃんを俺たちの元に送ったのかな? その辺が手紙に書かれてないんだけど」
「んにゃ? だから、さっきも言ったけどアイドルを廃業したからだよ? きゃは♪」
まあちゃん、可愛いなあ。
この子とだったら、カロリーを消費してでも、ずっと会話したいんですけど。
「だったら王都で師匠の元にいれば良いと思うんだけど?」
おお……、まあちゃんが首を傾げている。仕草の一つ一つが男をキュンッとさせるよね?
「ノーベルちゃんがね、スロスちゃんの研究を手伝ってあげろって、きゃは♪」
「……それってスロスの『怠惰スーツ』の研究って事かしら? あんなアホな研究をノーベル様が公認するわけ? 一国の財務大臣様が?」
イラも失礼だな。人の研究をアホとは何だよ。
「うんうん。師匠も、やっと俺の研究を理解してくれたのか」
「なんかね、ノーベルちゃんが言うには『スロスの暴走を止めるには何かに没頭させるのが一番。まあちゃんがスロスのパーティーに加入すれば悩みの種が一つにまとまる』だって。きゃは♪」
「ちょっと!! それってどう言う事!? ノーベル様は間接的に厄介事を私に丸投げしてない!?」
まあちゃんみたいな可愛い子に研究を手伝って貰えたら俺もやる気出ちゃうなあ。
めんどくさがりの俺がアドレナリン分泌しちゃってるよ。きゃは♪
「それで、まあちゃんは具体的に何を手伝ってくれるの?」
「ちょっと!? スロスも急にやる気出してない!? 頼むからアドレナリンを分泌させないでよ!! あんたがやる気を出したら街が崩壊しちゃうわ!!」
イラも、とことん失礼だな。
まあイラは幼馴染だし、お尻が柔らかいから何を言われても許しちゃうけどね。
「私ね、『浮遊石』の情報を持ってるんだよ。きゃは♪」
「……まあちゃん、その話、詳しく聞かせてくれる?」
俺はまあちゃんの手を握り締めた。
『浮遊石』があれば俺の研究は多角的に前進するから。
「ちょっと!! スロスもどさくさに紛れてセクハラするんじゃないわよ!!」
ちっ、さすがはイラ。お見通しだったか。
イラが俺に詰め寄りながら猛抗議してくる。
イラにまあちゃん。
超絶美少女二人に挟まれながら俺は天にも登る気分になった。
「巨乳ギャルに口喧(くちやかま)しい幼馴染。俺のハーレムって無敵じゃね?」
「スロス!! 思ってても口にするんじゃないわよ!!」
「きゃは♪」
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