第2話 巡り会い

7月29日 午後14時00分


「健太さん。仕事の話なのですが、ロケ地が噂の館らしいです。」

「お、まじで?」

「はい。引受けますか?」

「やるしかないでしょ。」

「はい。分かりました。」


7月29日 午後16時17分


健太は、図書館に訪れた。噂の館について調べるのだ。奥の方に行くと、ホコリが被った古い本があった。題名には「神原家の呪」とあった。表紙には、まだ綺麗な頃の館がうつっていた。

「ここか。」

健太の背中は、既にびっしょりと汗で濡れていた。


7月30日 午前9時3分


健太は、ぐったりしていた。ロケのことがあってなかなか気分が上がらない。鉛のような体だった。熱でもあるのだろうか。

「医者にでも行くか。」

ここから1番近いのは、「神原病院」だ。

鉛のような体を引きずりながら病院へ向かった。


7月30日 午前9時36分


病院に着くと、あるものが目に付いた。

入口に医院長の写真が貼ってあった。

「…!」

この人どこかで見たことあるような気がした。健太の頭には、ふたつの記憶が風船のようにフワフワ浮かんでいた。

「神原って昨日の人だ…」

「この顔ニュースで見たぞ…」

健太は察した。

「神原家の子孫…?」


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