第29話 Jeronimo

「そうだ。もし貴女が本当に未来の人ならば、聞きたいことがある。未来では、東側の国はどうなっている?戦争は起きたか?」



わたしは、そのまま現代を話した。


戦争は無かったけど、日本の原発が爆発した、と。





大統領は、そうか、と落胆したような声で「それを恐れていたのだ」と。




わたしは、はた、と思い出した。


大統領のお国でも、同じような事故が起きるんですよ、と。




大統領は、やや気色ばみ「それは、何時の事だ」と。



コンピューターで調べて期日を教える。




それは大変だ、と

大統領はラインを切り、検討すると言った。


連絡したい時はどうしたらいいか?と言われたので

返答に困っていると

フェルディナンドが

合図を送ればいいよ、と言うので



わたしは、「あ、じゃあのろしを上げて」と言ったので

大統領とフェルディナンドは同時に笑い出した。



緊張感のないわたし(笑)でも、そんなものだと思う。その後、空軍の無線,148.15chで連絡すると言う事になった。


それでラインは途切れたけど。

でも。



敵国の原子炉が動いていたら、それでまた歴史は変わってしまう。


日本は侵略されて、東側と西側に分断されちゃうかもしれない。



「じゃあさ」

フェルディナンドは、なんとなく言う。


もっと過去に遡って、原子力応用の学問が出来ないように変えてしまえばいいのさ。」




すごい事を平気で言う。



そんな事したら、本当に

歴史が凄く変わってしまう。



「ねえ、わたし怖いよ」



どうして?と彼は聞くけれど

それって本当にテロリズムに近いんじゃないかしら。「戦争が起きなければいいのさ」

彼は、さらりと言う。


戦争のせいで、原子力応用学問が進むのだから

侵略をしないように心を変えてあげれば、いい。

侵略したって、された方の心までは変えられないんだから。




彼はそう言った。

確かにそう。悪い人だってテロリストを捕まえて処刑したりするのって、なんとなく嫌だった。


そういう考え方だけ

消せれば、と思うけど



そんな事ができるのは

それはそれで怖いような気もしちゃう。


「そんな事ないさ、侵略は、簡単に言うと境界があるからそう言われるので、損得を無くしてしまえば戦争は要らないのさ」



と、彼は言うけど。



そんな方法ってあるのかしら。




「他にも方法はある。つまり、侵略を好むのは動物的な行動で、脳の中でそういう、麻薬的物質が出るから攻撃を好むんだ。主に愚かな男のする事だね。つまり薬物中毒と同じだから、そうならないように神経を変えてしまえばいい。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る