第10話 lasre


つまり、そういう国民性なのだから、日本は自分の事だけ考えてればいい、っていう人が増えた。

だって、お互いに気を使ってたって

ずるい人はお金儲けのために、国を動かしたりまでする。

ふつうの人達は、ずるい人にお金を取られてばかり。



「じゃあさ」フェルディナントはラジオの向こうで言う


グローブボックスを開けてごらん、と。



小物入れの中には、懐中電灯。


何よこれ、とわたしは走りながら懐中電灯のスイッチを

何気なく入れた。



LEDから放たれた光は、レーザービーム。


たまたま、照らされた先にあった白樺の梢が消えた。




「何、これ。」私は絶句した。


「大丈夫。生き物を殺したりはしない。ただ、さっき話したような次元の穴を通じて、別の世界に飛ぶだけさ。」




事も無げに、そんな事を言うフェルディナントが少し怖くなった。


だから、男の子って怖いのよ。



「それで、変な人達を別の世界に移しちゃえばいい」

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