第2話 ふわふわ
風に抱かれるように、ふわりふわりと
スノゥ・フレイクは、舞い降りていきます。
小川のそばの、高ーい木を飛び越えて
まきばのあたり、今は雪の原で誰ーれもいない
草原に、ふわりと舞い降ります。
雲の切れ間から、おひさまが顔をのぞかせると
スノゥ・フレイクは、きらきらと輝きながら、思います。
....いいな、なんだか。
幾何学的な雪の模様は
おひさまに照らされて
まるく、柔らかな
雪のたまのようになりました。スノゥ・フレイクは、お空を見上げました。
めざめた時に、そばにいた
ふわふわの雪雲さんは、北風にのって
遠くの空へと、ゆっくり、ゆっくり。
.....あ.....
スノゥ・フレィクは、とっってもさびしくなりました。
ふるさとから遠く離れてしまって
もう、もどることはできない...
そんな気持ちに似ていたかもしれません。
さっきまで、軽やかに空を駆けていても
今は、ただ遠ざかる雪雲さんを見送るだけ...
もどかしくて。
スノゥ・フレイクは、涙ぐみました。
さびしくて。
ひとりぼっちでわたし、どうしたらいいの?
「あの....」
やわらかな声がして、スノゥ・フレイクは
あわてて顔を拭いました。
誰もいないと思っていたのですから。
「は、はい....」スノゥは、とりあえずそれだけ。
声の主は、静かな瞳で微笑みながら
慈しむように、スノゥ・フレイクを見ています。
「ごめんなさい、驚かせちゃって。
僕は、スノゥ・ウィ、君より少し前にここに降りてきたんだ。」
スノゥ・フレイクは、なんだかほっとしたのか
やわらかく笑顔をみせながら、でも涙が頬を
伝いました。
スノゥ・ウィは、ちょっとあわてて。
「ご、ごめんね。だいじょうぶ?どこか痛くしたの?」
スノゥ・フレイクは、いいえ、と
かぶりを振りながら笑顔で、でも涙はとまりません。
とってもうれしかったのです。
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