ゆきのひとひら

深町珠

第1話 ゆきのひとひら

スノウ・フレイクは、雪雲のなかで目覚めました。

きらきらと輝く、幾何学的な模様のからだは

まっしろに透けて、お日さまの光をあび


いま、ひらひらと雪雲のなかから

揺れながら、舞い降りて行こうとしているところです。



 ......さわやか、ね。


凛々しい思いで、まっしろな大地を見下ろしました。


とおくとおく、どこまでも続く草原も丘も


遙かに輝く白い峰も。


みんな、みんなsnowflakeを歓迎しています。



ようこそ。

いらっしゃい。

おはよう。


丘の上の樅の木や、小川のせせらぎ、

エルムの並木たちも、みんなみんな

snowflakeに、ごあいさつ。



.....はじめまして。わたし、snowflake です。



スノゥは、晴れがましいような

ちょっぴり恥ずかしいようなきもちで


雪の野原へ舞い降りていきます....



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