第百三十八話 新ムータン整備 追加で川べりと海べりをいろいろ。


新ムータン予定地

まず、海辺の町は拡張するだけ。

「なので、手をあまり付けていない川べりを先にやりましょう!」ドーラ

「はーい!」ユータ

「はーい!」養殖リーダーのタク


ドラゴニアはこの川の上流から水路を引いている。


以前、養殖班が川の上流と下流に桟橋をいくつか作っていた話があったが、その最も下流のが、この新ムータンの領地になった場所にあった。

だからそこの周辺は、漁をしてるときに便利に成るように、休憩できるトコ、トイレ(森は魔獣が出るかもしれないので、トイレは安全が確保された場所がいい)、煮炊きできる小さい炊事場などがあった。その周辺も少し木を刈り取っていて、見通しを良くしている。


「おう!いい出来な!安全確保され(周囲を刈り取っている)、衛生的にも良い(トイレがある。水は魔法で出す)。流石ベテランだな!!」ドーラ

「えへへぇ、、皆と考えながらやった。」

とドーラに認められて照れるリーダータク。


皆と考えながらやっていくのは、次のリーダーレベルを作り出すのにとても良い。

そういえば、各班のリーダー達はみなそうだな、、

知恵を出し合うほうがいい、ってわかってるんだなぁ、、、

ドーラはもともとソロだった。ダンジョン当時はダンジョンのボスだった。最下層に手下はいなかった。野良の魔獣くらいは出たけど、知能無いし、、。


ユータはいじめが始まるまでは仲の良い友達、タカとよくつるんでいたが、多数の者達と一緒に、というのは殆どなかった。

なので、2−3人くらいが丁度良いと感じている。

だから、


「えらいなぁ、、」ドーラ

「うん、そう思う」ユータ


単独が得意なものは、グループをまとめ、全体を引き上げていく者を、本気ですごいと思うのだ。

固有スキル?とか思っちゃうほどに。




で、

ここに来る前に、3人で打ち合わせをしておいた。

桟橋を作る場所の選別はタクにやってもらう。

街の場所の選定は3人で。

で、うまく合致するところに、上流から下流までの5箇所くらい以上作っておく。


街の規模は、千人から2千人、125世帯から250世帯。働き手が世帯あたり2人として250人から500人。

基本1000人の街として、要衝とかなんかでかくなる要因があるところは二千にしておく。

もちろん周囲を見通しよくし、魔獣が街に入らないように高く土塁を巡らせ、出入り口には門を作る。土塁の上には四方に物見櫓。


ムータン王国では一般的に3世代同居だ。なので長男ととうちゃんが働き手。かーちゃんはとうちゃんの仕事を手伝える時は手伝う。じいちゃんばーちゃんは仕事や家事の補助とか、手作業とか。子供の大きい子達は仕事や家事を手伝う。こっちの世界でも多くは似たようなものだ。日本のある世界でも、今でもそういう国や地域は少なくない。




「学校どうしよう?先生が・・」ユータ

「うーん、・・王都と扉は、、」ユータ

「ユータ、維持できるのか?」ドーラ

「まぁ、余り使わないから大丈夫だと思うけど、、国ごと引っ越しの時に、使っちゃうかなぁ?どうだろ?」

「そうだよなぁ、、あの人数通ると、、ダンマスの魔力使っても足りないだろうからユータの魔力も使うだろうし、、」


「とりあえずだめだったら、うちのニーちゃんネーちゃん達に来てもらえば?」タク

「とりあえずそれでいいかな?こっちの言葉を教えるのと、魔力増やすのと、魔法、それから読み書き計算などだけど、計算はもう出来ているだろうし、、」ドーラ

「ならダイジョブだよ、皆計算で引っ掛かるだけだから」タク

いいのか?まぁ、、助かるけど


「ムータンにも先生がいると思う」ユータ

「!そうか!んじゃ俺らは魔法と言葉だけでいいんだ!」ドーラ

「だね!んじゃ余裕だよ、多分!」

うん、多分だね、。


「あ、地図、ムータンの地図作ってなかったな?」ドーラ

「んじゃ、翌朝先に上空から地図作っちゃおう」ユータ

地図の作り方どころか読み方も知らないので、興味を持つタク。



翌日

で、今朝、転移でムータン予定地高空。

模造紙に線で念写トレースするユータ。

ムータン王宮に降りて、でかいテーブルにもう一枚模造紙を広げ、念写を参考に地図を書いていく。


3人で、念写と見比べてみる。

「いんじゃね?」ドーラ


それのコピーを作って、川の上空に転移、低めに飛んで探す。

で、タクが自分達で作った桟橋を見つけた。

地図で見比べてみると、上流からムータン国境入ったすぐあたりだった。




その国境から中に入ったばかりの場所。

「どうだろう?ここはでかくなる場所なのかな?」ドーラ


北側は、森が広がる。魔獣もいるだろう。中間の街の森よりは脅威を感じないんで、今のトコはそれほど強いのはいないのかもしれない。通常種のみ?


とりあえず小さい町を作っておく。

川沿いに桟橋作り、街を作ってから、それぞれの街から中央に向かう道を作る予定。

その日は、桟橋はもうできていたので、その町はの土木作業の方はほぼ終わり、あとは建物建てて井戸掘るくらいだ。


ドーラもユータも街を作るのが慣れているのにあまり進まなかったのは、タクに教えながらやっていたから。

今回見て覚えれば、そのうちタクが、土木系魔法の出来る者たちを連れて街を作るように成るだろう。



その次の場所はかなり下ったところになった。そこに街を作り終えた後、最初のところと今作ったところの間に、も一つ桟橋と街を作ることにした。

流れが速いのか、崖が続いていたので、ここは思い切って小さな入江を作り、そこに桟橋を掛けた。


「逆にいいかも、、ここ、この入江がいい感じに船の基地になりそう」タク

「んじゃ、作業場とかも作っといたほうがいいかな?」ユータ

「後でいいかも、決めるのはあっちの人達だし、、」タク

「そだな、後でもできるし、いんじゃね?それで」ドーラ


そんな感じで、これものんびりした感じでやってって、半月ほどで、中央の大きい街までの道も作り終えた。



「よし、最後の、海辺の町の拡大な!」ドーラ

「僕も?」タク

「もちろん!」ユータ


言い出しっぺはタクだし、桟橋とかも増やすだろうし、つまり船も増えるだろうから、その係留や、陸上の置き場とか、そういうのは現場の者の方がわかる。

現場の者の話を聞かずに作ってもいいことはない。


「まずは港から始めよう。」ドーラ

海辺の街と言っても、海岸もあるけど、もちろん漁をするための街でもある。川を下ってきたフェリーの終点予定でもある。


ここは、より丁寧にしたので時間がかかった。

将来、もしかしたらここがムータン王国の玄関の一つに成るかもしれないから。


もちろん、宿は港と、浜辺のほうにとりあえず1軒ずつ作っておいた、大きめの、50部屋ある宿を。勿論てきとーな数の民家や商屋など。


あと、港の管理の者たちが使いそうな事務所を、大きめにして1つ。


すべてが終わった時、

「やっと終わったー、、、」

が、3人の口から出た言葉。

まぁ、達成感はあとから来るだろうし、、

疲れも貯まっているだろう。


その後、

「おもいきし疲れたから、休養とろうぜ!」

と、ドーラ。

3人で隣のドラゴニアの海岸に行って、一週間ほどダラダラ過ごした。


人魚と海でビーチバレーやったり、魚のとり方教えてもらったり。

小島の方の筏でごろごろしたり。こっちにも人魚達来ていたけど。


「こういうときこそ、この海岸を領土にしてよかったなーって思うなー」

筏の上で寝転がりながらのドーラ

「そうだねぇ、、、、ほんとーに。」

と、うとうとしているユータ。

タクはもういびきかいている。


こういう平和な生活のために、いろいろ頑張ってるのだ、皆。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る