第百三十九話 フェリー作りたいねー


今日は中間の街に来ているドーラとユータ。

邸で朝食を食べてすぐにダンジョンの船に乗ってきた。

「久々に船に乗りたいねー」

とユータが言ったから。

多分、先日まで桟橋作っていたから、船を連想して思い出したら乗りたくなったのだろう。


確かに船は気持ちいい。地下のダンジョンと言えどもあそこは景色も良いし、風も心地よい。表より快適だ。

急ぎではないならば、是非使いたい船だ。


船と言えば、ドラゴニアの街から川までの水路がある。大きい水路なので養殖班の船が行き来している。

それに便乗させてもらって川に出ることも出来るし、川でも彼らは漁をしているので、乗せてもらうこともできる。

けど、小舟なので快適度は桁違い。バイクと大型バスの違い?もちろん時間もかかる。

ここいらででかい船は、地下水路ダンジョンの他にはない。



中間の街。

大通りのケーキ屋喫茶店。

ケーキを食べて茶を飲んでいるドーラとユータ。

無論厨房班の卒業生達の店だ。ケーキはそれなりの味で、ここらでは一番。

冒険者の街なのに、なぜか繁盛している。

特にドラゴニアの各街に居着く冒険者って、なぜか品の良いのが多い。そーゆー人達はケーキ好きなのかな?似合いそうだし?


「なぁ、、あの水路の船、いいよな?」ドーラ

「うん、あれは乗り心地いいよねー、、」ユータ

「俺ら、海辺も領地持ったろ?」

「あー、航路?どこと?」

「それなんだよなー、船に乗りたいだけじゃ、持てないよなぁ、、」

・・・・・・まーそーだよねー


「ウチの水路の先の川下って、新ムータン経由して、ウチの小島経由して、海岸の奥で終点ってのは?」ユータ

「それだなー。それが一番長距離で、慣れるには一番良さそうだな。」


「それとも、水路もでかくして、街から乗れるようにする?」

「今から拡張するのか?」

「んじゃ、下側(南側)にその船用の深めのをも一本作る?」

「そっちのほうがいいな、、そうすりゃその間もうちの領地になっちゃうよな、、」

「だねー」


今まで、川までの水路周辺のみを領地としていたのだ。いつか国の西の国境全体を川まで広げようとは思っていたが、今回が良い機会だろう。

ドラゴニア本国側は、面積が数倍になる。それだけでかいのでめんどくさくって躊躇してた。

小舟は皆魔法で操作できるので、最近はそれもかなり上達し、速いモーターボート並に飛ばしている。


それでも時間かかるので、船用の転移門作って欲しい、とか言われていた。

水上だし、いまいち不安なので手を付けていない。つか、どーやっていいのかわからない。

モモンガ船長に聞けば一発なのだが、まだそこまで気がついていない様子。

というか、ダンマスに相談すればいいのにね、養殖班。


下にデカイ船用の水路ができれば、養殖班もも少しデカイ船を運用できるようになるということである。日本の遠洋漁船くらい?。

そのうち外洋に漁に出るとかいい出しそうだけど。



「まぁ、そのことはまた皆に相談するとして、、今日は折角ここに来たんだから久々に変異種狩っていこうぜ!」

となった。変異種のおにくは美味いのだ。

近場で狩りすると、冒険者達の狩場をあらしちゃうので、奥の冒険者が入らない奥地に行って狩りまくる。


毎日の肉調達は、もう狩り班が一人前になっているので、4−5人で1つのチームになって狩りに出ている。

領土が西側に伸びれば西ノ森が領土内になるので、それも都合が良い。

まぁ、まだまだ手に余るほど広いけど。



お茶を終え、店を出たら、通りに元厨房班の子が歩いていた。

「おう!元気かー?」

「あ、ドーラ!遊びに来たの?」

「・・・まぁ、、そうだけど、、、」

その子は働いているのに、、ちょっと気が引けたドーラ。


「今もう、ウチの宿は満員で余裕よ!今度広げるの。やっと店主がOKしてねー。」

「なんで、やっと、なんだ?」

「めんどくさいんだって、、」

・・・・・・・・・

まぁ、、欲がないっていいことだよな?(ドーラ)

うん、僕もそう思う!(ユータ)


「そうなんだけど、、でも今ここ部屋が足りないでしょう?ギルドから催促されてんのよ、人気のある宿は増やしてくださいって。」

あー、、、


「まだまだ増えそう?」

「うーん、結構落ち着いてきたみたい。ウチとか、増設を渋ってたとこが増設すれば、あとはどうにかなりそうとかいう見込みらしいけど、、」

「よそから来る冒険者達も、大体来ちゃった、ってとこかな?」

「うん、ほかの同盟国にも新ギルドもあるしねー」


んじゃ無理しないように頑張ってな!ほどほどでちゃんと休めよー、と言って別れた。


国の周辺が落ち着き始めたのは良いことだ。

人間が良い冒険者達の移動がほとんど終わりかけている様子。

モモンガたちも、子どもたちをほとんど移動させてくれた。


とりあえずは、心配する相手はなくなった、ということだ。




森の奥に飛行していく2人。

ユータの上にドーラが乗っかっている図。

ドーラはサーチで、獲物が集まっている付近を探す。


「あ、イノシシ多く居るけど、、」

「行ってみようか!」


近くに行くと、イノシシ一家だった。

子供は食いでがないし可愛いのでやめとく。


「お、今度はオーク!変異種だか通常種だかわからん、、」

「行ってみよー!」


当たりでした。変異種が集団行動していた。どっかと闘う感じだった?

まぁいいや、ってんで全部狩ってストレージに仕舞って、

それからもひとつの集団も狩って、、邸に転移。


邸の厨房の裏手。

「おーい、変異種結構狩ってきたー、受け取ってー」

「おおおー!!ごっちゃん!ありがとうー!」

「やった!今日はトンカツかな!!」

(らっき!!)ドーラ&ユータ


20頭くらい狩ったから、食べ盛り200人以上でもまだ余裕だろう。


どっちの世界でも、トンカツを嫌いな者はいないほどだ。

チャーハンと二分するほどのトップ人気。

しかも変異種となれば、、もう言うことなしだろう。


今日も平和だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る