第百三十七話 新ムータン整備 皆に見てもらう
粗方終わったので、こっちの現場を知っている皆に見に来てもらった。
銀月、満月のメンバー、ジョニー、各部署のリーダーたちと、手が空いていて見に来たいと言った子達に。
広いので、基本転移できる者たちにした。
一週間ほど見てもらって、皆と打ち合わせ。改善点とか気がついたトコとかいろいろなんでも。
小物とかも、あれやこれやあったほうがいんじゃないか?というものが結構出てきた。
向こうが何を持ってくるだろうか?ということの見当が付かないので、その都度、向こうのものがいい場合は説明した。そうすると、「今度それ持ってきて、**個くらい」と要望になる。ユータ、メモする。
なかなか有意義な打ち合わせであった!!w
その後手直しに数日掛け、再度見てもらった。
「あとは、実際に来て、使ってもらわんとわからないんじゃないかな」
という結論に落ち着く。
だがしかし!
「ユータにーちゃん、、海への道、もっと良くしたほうがいんじゃないの?」と、養殖のリーダー。
一度海に行ってかなりハマっているらしい。厨房班海の保養所へ転属希望しているとか、、、
「そうだな、、山の人たちだから、そうなるかもなー」ガンダ
ドラゴニアの皆も海を知らなかった。で、かなりハマっている子達が出てきている。
新ムータンは、西の川を西側国境にして、そのまま南の海岸線を少し領土に入れている。(第百三十二話)
そこの東側はドラゴニアの海岸領になっている。
「んじゃ、海岸の方をも少しデカイ街にして、街道と、川の桟橋を多めに作る、くらいかな?」ドーラ。
とりあえずそんなものかな?となった。
街道と川が利用できれば余裕だろう。
船は引っ越しが決まってから作るほうがいい。
馬車は向こうから持って来たのを修理して使うほうがいい。
ふんだんに鉄を使い、ゴムの車輪の馬車は、こっちの馬車よりも使いやすい。
その馬車、持ってきて、と言う者も多いので、話し合いで「ムータンが越してきたら作ってもらえばいい。」ということになった。
ムータンに同盟領域内での役割を持ってもらう方がいい、とガンダが言ったので。
そしてドーラも、他の王たちもそう思うんじゃないかな?と。
子どもたちも、ドラゴニアで自分たちの役割がある、ということを理解してる。なので新しく来たムータンが「何の役割もない」では、自分で役立たずみたいに思うんじゃないかな?と感じたのだろう。
皆、自分が大きくなるにつれ、はやく一人前になりたい、という気持ちが強かったことを思い出したのだ。
それでドーラは思った。
俺らの同盟国の中でも、それぞれ得意不得意あるだろう、それを活かして各国との繋がりを持つほうが、より理解しあって、助け合って、よくなっていけるんじゃないかな?と。
「同盟各国からも来てもらって、見せたほうがいんじゃないかな?同盟の繋がり的に」
とドーラが言うと、
そりゃ、しないよりしたほうが余程いいだろ?とガンダ。
「ああ、知らないうちに同盟増えてましたー。とかより、事前に知ってたほうがいいよな?助けたいって気持ちも出るだろうし、知識もほしいだろうし」ジオ
「少なくとも、引っ越してきた者たちから、いろいろ話を聞きたいってのは、かなりあるんじゃないかな」マキ
「向こうじゃ、魔法が無かったんだろ?、その差、ってのは、案外でかいんじゃないか?」ザク
「食べ物ね」テイナ
「食い物にゃ!」ニヤ
「ケーキとかねー」厨房班リーダー
流石だ!
「あと、病気とかだけど、こっちは魔法があるから病気は少ない。すぐ直せる。老化もかなり補正できる。死ぬ直前まで結構健康でいられる。」ユータ
・・・・・
そうなの?!!!、と皆。
「だな、俺が行くようになって見た限りだけど、かなりよぼってるぞ。こっちから見たら、よく生きているよな?くらいに。」
皆痛々しいものを見るような顔つきに。
ユータもドーラも、見てはいたが、あまり切実には思えなかった。身近なことではなかったから。
で、
各国の王達に連絡し、皆を一緒に招待して見せるのはガンダ達の仕事となり、
「成り行きでいろいろ話をしてみるわ」と。
話す機会が多くなれば多くなるほど、お互いの考え方などもわかり、理解は深まる。
ユータとドーラは、海辺の街拡大、街道整備、桟橋増設、桟橋付近に街など整備、をしてみることになった。
話が大体決まって、お茶のんで菓子食べて落ち着いたとき、
「俺らがこっちに来た時も、誰かが整備していてくれたら楽だったよな」と、誰かが言った。
が、
主に子どもたちが皆
「それじゃ面白くなかった。自分達がドラゴニアを作ったんだ、と思えなかったろう」
というようなことを口々に言った。
大変なこと、
それは、その結果も自分達のものなんだなぁ、、
苦労すればするほど、それを成し遂げた時の感動は大きい。成果は大きい(経験もデカイ)。
というが、そういうことなんだろうな。
と、ドーラもユータも思った。
でも、傍から見たら、今までユータとドーラがやって来たこと、ってのは、とてつもなく大変そうでめんどくさそうなことばかりだった。めんどくせ、と途中で放り出してもよかったんじゃない?というものも少なくなかった。
が、
最後にドーラやユータがほしい結果を手に入れるまで、やった。
だから、
今、
ドーラもユータも、皆も、ここでこうしている。今までの集積が「今ココ」なんだ、
と、ユータ、ドーラ、そしてそれを見てきて一緒になってやってきたマキ、テイナ、ニヤ、ガンダ、ジオ、ザク、は、わかった。
そして途中からだが、見てきたジョニーも、自分のことと重ね合わせて、それがわかった。
もちろん「やってこなかったこと」もいくつもある。それは、必要ではなかったこと、のうちのいくつかでしかないだろう。
彼らと彼らの仲間にとって必須なことであれば、彼らはなんとかして皆の知恵を集めてやってきた。
だからこそ、必要ないこと、など、やらなかったのだ。
それも、重要なことの一方だ。
そして、その判断ができる、ということは、彼らの人生で最も重要なことだ。
”判断力を作り上げ続ける”。一生かかること。
最も長生きして、最も経験の半端なく多いダンマスでさえも、まだまだ己だけの判断では不足を感じることも多いのだ。
だから、皆で話し合う。より良い判断や結果を求めて。
「今回の件が、ウチのみならず、同盟など、皆になんかの良いきっかけになればいいな。」
とガンダが〆たが、まさにそのとおりだ、と皆思った。
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