第百二十八話 アンダルンテミラノ公国、首都ミラネバ
「ニラレバって美味しいよね!」ユータ
「?何?」ジョニー
「ああ、ユータの世界の食事、帰ったら作ってやるよ」ドーラ
「うまいの?」
「俺は美味いと思うけど、、好き好きだなー」
ふーん、、、
「ねぇねぇ、ドーラって王様でしょう?なぜ偉そうにしないの?」ソラリス
「なあに?この子王様なの?王子様?」パマが朝食後に、皆が信者になったお祝いよ、とケーキと茶を持ってきてくれた。
まぁ、ありがたくいただく。
「まぁ、、ちょこっとな、、でも、偉そうにしていいことってあるか?本人にも国にも」ドーラ
「皆が怖がる?」バックス
いいことかよそれ、と皆に言われ、
「怖いほうが皆言うこと聞くじゃん、、」
「おまえ、怖い人と一緒に居たい?」ジョニー
「・・・・ヤダ。」
「それじゃ、言うこと聞く前に逃げてっちゃうだろ?」
「・・・・うん、、、」
素直でいい子ねぇ、、とパマ
「バックス、ソラリス、お前たちは、どういう人なら一生一緒に居たい?」
「うーん、、、、」と2人は考える。
・・
「一生?」バックス
「ああ、一生、だ。人に仕えるって、そういうことだからな」ジョニー
うーん・・・・
「私、お父さんとお母さんみたいな人なら、一生一緒にいたいな」ソラリス
「ソラリスのお父さんって、どういう人?」ジョニー
だった、とは言わない。まだ死は確認されていない。
パマがバックスとソラリスの2人にジュースを持ってくてくれる。ありがとう、と2人。
「普段はおならしたり、おかあさんに叱られてたり、、」
「そうだったなおまえんち、、」バックス
「でも、畑は皆に褒められるほどだったし、収穫もよかった。魔獣も追い払ってたよ、強かった。強いの。」
「ウチの父ちゃんも強いぜ、かぁちゃんは父ちゃん褒めてたもん、いつもはだらしないけど、いざって時には頼りになるって。」
「うちもだよ!」
「ドーラはどういうふうに見える?今ここで見てみて」
・・・
「フツーの子、少しお兄ちゃん。優しいのかな、、」ソラリス
「そーだな、俺より少し上。でもなんか頼れる雰囲気ある。つえぇ兄ちゃん、かな。怖くないし、、」バックス
「そうだ。皆、これから行くドラゴニアという国の全員が、ドーラを信頼しているんだ。日頃はタメ口きいてバカ言い合っても、いざという時はものすごく頼りになる。ドーラの仲間に敵対した3つの国の王家を滅ぼし、一つの国をほぼ全部滅ぼした。
皆、悪党だったからだ。そして、ドーラは正直。欲がない。皆の幸せが好きだ。だから皆、頼りにする。信じられるんだ。そして皆、ドーラを尊敬している。」
こそばゆいな、、、目の前で言われると、、、と、つぶやくドーラ。
「ボクもだよ。そしてダンマスも。ダンマスはドーラの親で、もっと強いけど、それでもドーラを尊敬しているって。ドーラのおかげで、自分は人間の世界で楽しく生きることができているって。」
とユータ。
「まじかよ、ダンマスがぁ?」
「うん、言ってた。」
まったくもう、、、とドーラ。
「まじに王様なの?滅ぼしたって、聖光国のこと?」パナ
「そうです。ドーラが一人でやりました」ユータ、先生に告げ口するような口調、、、
・・・・・まっ!!、と両手で口を押さえるパマ。
「どーしましょー、私ったら不敬だわっつ!!」
「だからそーゆーの無いの、ウチの国は。大丈夫だから。」ドーラ
「怖がってたら、誰も王様の訊きたくないこと言わないだろう?でも、本当に仲良かったら、いくらドーラが訊きたくないなーってことでも、言わなきゃならないことならちゃんと言うだろ?お前たちは黙ってるか?」ジョニー
「・・・言わなくちゃならないことなら、言う、、」
「私も言うと思う」
「素直ないい子たちねぇ、、うちに置いてきなさいよ、高待遇よ?」パマ
「悪いな、ウチには同い年の子たちが万人といるんだ、そっちのほうが楽しいだろう?」ドーラ
それじゃしかたがないわね・・・万人?
「今、万人って言った?」パマ
「ああ、ウチの国は孤児院から始まったんだ。以降、増えて、な。」
・・・・・万人は森杉?(ユータ)
「・・・聞いたことあるけど、、ホントだったのね、、嘘くさいからつまんない嘘だと思ってたわ、、」
「だよねー」ユータ
「まーなー、、言って信じるほうが素直すぎるかもなー」ドーラ
「自分の目でみりゃ、わかるんだけどね」ジョニー
「時にパマ、ココの国って孤児院あるの?」
「あるわよ、でも国じゃなくって小さい施設よ?」
そらそーだろ、、
「孤児たちの待遇は?」
「最近かなり良くなったみたい。なんか公爵様、、ウチの国の王様ね、公爵様が一気に全国の孤児院、っても国がちっこいので数件しかないけど、それのテコ入れやって、、皆学校に行って、今はなんか楽しくやれてるみたいよ」
「昔は?」
「・・・お金がなくってねぇ、、町の人がいろいろ差し入れして、どうにか食えていた、ってくらいね、、」
「んじゃ、浮浪児とかはいなかった?」
「ええ、多分。この国の人達は昔からそこまでひどくないもの、盗みするくらいなら捕まえて孤児院に入れて、ちゃんと食べさせてたわよ。食事だけはね。」
「院長はひどいのいなかったのか?」
「街の人が許すわけないでしょう?」
「公爵はひどくないのか?」
「・・可もなく不可もなく?という一族ね」
どうにか及第点、というとこだろうか。しかし、この世界のこの時代にしてはかなりマシな方だ。
「うん、俺の子供の頃だったら、そういう孤児院は天国みたいなもんだったろう。大概どこでも院長なんかひどかった」ジョニー
びびるバックスとソラリス。
自分達も下手すりゃそこに入れられていたと、、。
まあ冒険者登録して採取とかでぎりぎり食いつないでいたから、余程悪徳孤児院で子供を売り飛ばすようなところでなければ、10歳になってりゃ入れられることもないだろうが。
ということをジョニーが言ったら、余計ビビってる2人。
「パマ、そういうクズが居たら呼んでな、俺が即始末するから」
「まぁ、敵わないほど強いのが来たら頼むわね。大概は私達で処分しているから大丈夫だけど、、」
してるのかよ、、
この時代の者たちは強いものは強いのだ。特に精神が。
パマに、ドラゴニアに来る時は国境でドーラに呼ばれた、って言ってもらえれば国境に迎えに行くから、機会があれば何人でも連れて遊びに来いよ!と言い残し、ユータの転移で皆でドラゴニアに帰る。
シュン!
「おおー、久々のこの空気!うめぇ!」ジョニー
そりゃ居間だから横が食堂だからねー
「うん、うまそうな匂い、、」バックス
「さっき食べたばかりなのに、、なぜだろう?」とソラリス
「そりゃ、うまいもんの匂いだからさ!」ジョニー
「もうすぐ昼だ、昼になると皆戻ってくるから紹介するからな。」ドーラ
「そう緊張するな、、今後仲間になるんだ。お前たちは俺の所属。でも、最初はいろいろこっちの仕事させてもらって、いろいろ覚えろ。そして学校に行って、必要なことを学べ。剣も、魔法も。一人前になったら、また俺と各地を回るぞ!」
「「はいっつ!!」」
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