第百二十七話 でっかいお風呂と石鹸と鍋


結構でかい風呂がある。

「でかいね?」

「そうだな、、街の大きさにしてはデカイな、」

25mプール横置きを想像してもらえば良いだろうか、、、


「にいちゃん達、ここに来たばかりか、、この街の名物だぞ?ここは。」

と、後ろから呆然としてる俺らに声を掛けるおっちゃん。


「・・なぜここまでデカイの?」

「なぜって、、でっかい方が気持ちいいだろ?」

(そう、なのか?)ドーラ

(俺は、落ち着かねーなー、)ジョニー


「混んでる時に真ん中にいたら、出るの大変だな」ジョニー

「まぁな、でも、出まーす!っていいながら出れば避けてくれるぜ?」おっちゃん

そんなに混んでるときあるんだ、、


「沸かすの大変じゃないのか?」ドーラ

「しらんのか?この街は温泉で有名なんだぞ?石鹸いるか?」おっちゃん

「へぇ、、そうなんだ。石鹸は持っているからいいや、ありがと」

「そうか、、んじゃ鍋いるか?いい鍋だぜ?ここにある紙に名前書くだけで貰えるぜ?」

「旅行者だから鍋いらない」

「ふーん、住み着けばいいのに、、祈るとこも多いぜ?」


なんかへんなとこだな?(ジョニー)

ああ、早く退散するほうがいいかもな、、(ドーラ)


その後もおっちゃんはこの石鹸使わないか?鍋持っとくと便利だぜとか頻繁に言ってきた。

でも子供のバックスには何も言ってこなかったので、まぁ特に問題なかろうと。

いや、

バックスはユータに髪洗ってもらったりしてたんで、、、ひとによるとユータが凶暴に見えるらしいんで(第四十二話)、近づかなかったのかも?


ちなみにユータとバックスは浴槽を見てもなんとも思わなかったようだ。


風呂から出て外の屋台で飲み物買って飲んでソラリスを待つ。

ほどなくおばちゃん達に囲まれたソラリスが出てくる。髪をものごっく結われている。

江戸時代の姫様?とか思うユータ。


「んじゃ、ここにおいとくから、」

と、おばちゃん達は大量の鍋と大量の石鹸を縁台に置いて

「んじゃ、今度は祈祷所で会いましょうねー!」と言ってわいわい去っていく。

・・・・


「おまえ、何したの?」バックス

「え?何枚かの紙に名前書いただけだけど、、」ソラリス

・・・・・・・ドーラとジョニー

「いい人が多いね!」ユータ

ユータ、わかちゃいねぇ、、


「これも貰ったんだよ!きれいでしょ?」

と、紫の石の嵌ったなんかの文様のペンダントを見せる。


「あ、、」ジョニー

「何か知ってるのか?」ドーラ

「・・・なんだったっけ、なんかの女神様を崇め奉るとかの集団、、」


「フツーのしゅーきょーじゃないのか?集団?」

「まぁ、、権力志向なしで、ほんとに信者増やすことしか考えてないんんだよな、、、」

「良ーことじゃないか、聖光国みたいだったら滅ぼす必要あるけど、でも信者増やすだけだろ?いんじゃん?」

・・・・

「まぁ、な、、、」


なんかなぁ、、と、引っかかるドーラ


「そのうちわかるんじゃないかなぁ」

と諦め顔のジョニー



宿に帰り、うまいという晩メシ。

パマの使用人達はごく普通だった。皆あーだったら少し怖いかな?と怯えもあったが、普通だったのでドーラもジョニーも安心した。

メシもパマの話の通り美味い。


「これならウチの食堂チームに匹敵するな!」ドーラ

「ああ、うまかったからなドラゴニア、、外はやっぱメシがきついわ、、ドラゴニアから来ると。」ジョニー

「ゴンザールはどうなんだ?」

「良くなったぜ?ドラゴニアの子達が結構行ってるんじゃないかな?」

なるほど、、皆好奇心旺盛の行動派だからなー、、一部怖いもの無し派もいるので危なっかしいけど、、


「あら?あなた、信者になったの?おめでとう!!これじゃもう私の出る幕無いわね!頑張ってね!信者増やせば女神様もどんどん強くなるので、お願いね!」

と、パマがソラリスにいう。


「パマ、それって、俺ら何も知らないんで、良ければ教えてくれるかな?」ドーラ

(ばかっ!!おま・・)ジョニー

「わかったわ!」

とイスを横のテーブルから持ってきて腰を落ち着け、話し出す用意をするパマ。


その後2時間くらい独演会。

バックスとソラリスは寝ている。ユータもうとうとしている。部屋に帰るのは許されなかった、パマに引き止められるのだ。

洗剤は無いのね?と、パマはソラリスに大量の洗剤を渡した。


なんか、でっかい凶暴なスライムとか出てきそうでいやだなー、とドーラは思う。


朝、気がついたら部屋に帰って寝ていた。

いつの間にか話が終わり、かえって居たのだろう。

あれ?なんだろうこのペンダント、、おや?ユータもしているぞ?

ジョニーまでも?


でも、

その朝から、ここの街の者たちは更に愛想がよくなり優しくなった。

石鹸や鍋の事を言う者もいなくなり、ウザさは消えた。


「魔除けか?魔除けのお守りか?」ドーラ

「なるほどねぇ、、持っちゃえばいいのか、、それには気が付かなかったな、、」ジョニー


あ、

「そういえば、ここって、どこなの?」ドーラ

「え?知らないで来たの?」

「だって、座標があれば来れるじゃん?」

ああ、俺がそれか、、


「ここは、アンダルンテミラノ公国の首都ミラネバ」



ニラレバ?スパゲティっぽいニラレバなの??(ユータ)

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