第四十一話 ドーラ、日本での生活を始める


あ、

思い出して、ストレージからヒモノと干し肉を出して、市さんに渡す。


「それ、むこうのだから。うまいぞ」ドーラ

市さんは大事そうに抱えた。


(ドーラ、市さんに魔石渡したらどーだろー?)ボク

(・・・・・全くわからんっ!!!、やってみるか?ちいさいやつ、一個かして)ドーラ


ボクはストレージから小さいのを一個出してドーラに渡す。

先程からストレージ使ってるけど、市さんは驚かない。

そんなもんなんだろう、という顔をしている。


「これ、持っててみてくれ。もしかしたら、おまえに向こうの力が付くかも知れない。

が、逆におまえになんか知らない悪い影響を与えるかも知れない。

なので、もし体調悪くなったり、へんなハイになったり、へんな夢見たり、少しでも違和感が出てきたら、なんでもいいからすぐに報告してくれ。対策を考える。」

と、ドーラ。


「はい!」

受け取った市さん、じっと魔石を見つめる。

「袋にいれて、首からさげときます」

「おう、そんでいんじゃないか?でも、くれぐれも、前もって前もって報告してくれよ?対策は症状が軽いうちのほうがしやすいんだからな?」

「承知しました!」



市と別れて家に向かうドーラとユータ。

「・・・・魔物とかにならないかな?」

「こっちで、か?、この世界に魔力が存在しないからなぁ、、あれっぽっちでは無理だろうけど、、まぁ精神的のみにそういう悪影響の可能性もあるかもしれない。

・・・・・一応、毎日学校の帰りにでも顔出すか?」

「うん、そうする。」


せっかく友人になったんだ。へんなふうになったら悲しい。いやだ。毎日通って、それを防げるなら、やるしかない。

そう思うユータ。


(まぁ、、俺が遠視でみててもいいんだけどね、ユータが自分で動くんだから、それをさせるほうがユータにはいいか、、)ドーラ




家の前


ごくりんこ、、、つばを飲むユータ

「おいおい、今っからそれじゃー、紹介されるとき、わけわからなくなるんじゃね?まー俺が自分で紹介するからいっかー!はっはっは!」

全くどうじていないドーラ!!


ガチャ、ぎぃー、、

「「ただいまー!!」」

「・・おかえりなさい!きたのねおともだち!」

と、小走りで出てくる母さん


「はじめまして!おら、・・猫田竜雄!数日ごやっかいになります、宜しくお願いいたします!!」ドーラ

・・・すげぇ、、、凄いよドーラ!!なに?ふつーのいい子みたいっ!!!

(なんか、今までどー思われていたのか、が、よくわかるコメントだな?ゆーた?)

???(ユータ)


さあさあはいって!と母親に促されて入るドーラこと竜雄。

ユータもついていく。


で、ケーキと紅茶を出されて喜ぶドーラ!

うまいうまいというドーラのコメントに

かわいそうな小動物を慈しむような目で見る母さん?


寝る部屋は「ユータと一緒がいい」とドーラが希望。

それじゃ、ユータ、廊下にあるのを持っていきなさい、と母さん。

見ると、折りたたみ式簡易ベットとマットレス。

わざわざ買ったのか、、、しかも今日しか時間なかったよね?


昨日の話で、うちの母の中では、ドーラがかなりかわいそうな子、あっちのほうではなく、マジモンのかわいそうな子になってるんだなぁ、、とユータは知った。

ああ、だからさっきの目なのか、、ケーキもろくに食べたことないのね、、、とか?

うん、当たっているけど。むこうじゃめったに食べられません、まだ。


量産と販売はまだしていないのだ。


これからヒモノがどんどん出て、ばんばん稼げりゃ、砂糖とバターを大量に仕入れて、、テイナとニヤがどんどん練習できて、その結果、多分、美味しいケーキがうまれるであろう、というとこ。

今は、あっちのとしてはオイシイけど、まだまだこっちのと比べられるものではない。ひとつひとつ丁寧に作って、やっとこっちの美味しいのに近いくらいなのだ。販売となるとも少し質は落ちてしまうだろう。

向こうででっかい牧場できたら、新鮮なバター使って、オイシイ小麦使ってできるんだろうけどね。

材料だけなら桁違いで向こうのが有利だから。



ユータとドーラはユータの部屋を片付けて、ベットをずらして2つ並べた。

狭くなったけど、二人してゲームやったりごろごろ漫画読んだりする分のスペースはある。


それから風呂に入って、、、狭すぎたんで、こんどからは一人ずつはいろうと決め、風呂から上がってからほどなくユータの父さんが帰宅した。



夕食

ハンバーグ

ドーラ、嬉しそう。

ヨータが母さんに「竜雄くんはすごく食べるから!」と言ったので、ダブルで出てきた。添え物の甘くなるまで煮た人参と、ほくほくのじゃがいもも山盛りになっている。


(ユータ、、俺、人間形態になって表に出て、すっげーよかったよ!!!)


ドーラはやっぱ食い物第一だなー。

まぁ、ダインジョンから抜け出る理由がそ~だったからね♪


「竜雄くん、いっぱい食べてな!」父

「はいっつ!すっごくうんまそうですっ!!!」ドーラ

ドーラの茶碗は丼。


「いただきます!」×4人


うほおおお!!とか言いながら涙をこぼしながらご飯とおかずをかき込むドーラ。

それを見て目をうるませるユータの両親。


やっぱ勘違いしてるようだけど、いい方向なのでおk。


何度かお代わりし、満足げにすべて食べきったドーラ。

「ゴチソー様でした!!おいしかったですっつ!!!」


食後の茶を飲みながら、

「竜雄くんは、学校はいいのかい?」父

「うーん、あまり行きたくないし、、うちの仕事があるからいーです」


「ああそうか、仕事を嗣ぐのか、、ではそちらのほうがいいか、、」父

「ちなみに、君もヒモノを作るのかい?」父

やっぱ気になるのか、、


「・・ええ、手伝っています。最近増えたんで、やりがい在ります!!」

おお!ドーラ!うまい回答!!すごいね?

(まかせろ!!♪)ドーラ


「こっちにはよく来るの?」母

「はい、家の者にくっついてよく来ます」

(うん、ユータにくっついてよく来る、から、嘘じゃないしー)ドーラ

(だねー)ユータ


「それじゃ、いつまで居てもいいからね!」母

「うん、満足するまで居ていいからね。」父


(ユータ、、なんか、悪いから、今度はヒモノ増やそうぜ?)

(うん、そうしようか、、)

ドーラはユータの両親に大いに礼を言った。


翌日学校に行った。ドーラと。

で、先生に

「田舎の知り合いで高校が無いので行っていないんですが、一度高校を見てみたいって言ってるんで、見させてもらっていいですか?」

と、ユータが聞いたら、、


なんだろう?

後ろのドーラを見て、目をうるませ、

「好きなだけ見ていきなさい、校長には私からお願いしておくから大丈夫だ。

・・ちなみに、機械とか、、好きかね?」


車とかゲーム機とかスマホとかおもしろいもんなー、と思ったドーラ。

「はい!好きです!!」


うんうん、そーかそーか、我が校はちょうどいいな、、ユータ、部活とかも見せてやれ、と更に寛大になった先生。




「なんか、すんなりだったね?」

「うん、こっちにもいいやついるじゃん!」

「まー、こういう時はねー」

問題がなければいい人って多いよね。そういうときは結構居心地いいんだよね。


ユータは少々ぽっちゃり体型。だが、異世界に出入りするようになってから背が延びてガッチリしはじめていた。

異世界は早寝早起きで、食事も天然ののみ。仕事は多く、体を使うことが非常に多い。更に魔力を多用するので腹が減るから食う。

ドーラ(人間形態)は見た目は小柄で、わんぱくそうなくりくりっとした目をして、銀髪の活発な子に見える。

ドーラはいくら食っても、ドーラの魔法で作った見た目には影響しない。


ユータが授業を受けている最中は、ドーラは校内をぶらぶらしていたが、校長がクラスに机と椅子を持ってきてくれた。

「良ければ授業も聞いてみなさい。今後、何かに役に立つかも知れない」とドーラに言った。


ドーラは何度も礼をいい、ありがたく受けた。

校長は微笑んでうんうんと何度もいいながら戻っていった。


(なんか、いいのか?随分よくしてくれるな?)ドーラ

(いんじゃないかな?素直でいい子っぽいドーラが珍しいんじゃない?)

・・・・・・

(ウチのガキども皆ここに入れたいな?)

(そうだねぇ、、)

戸籍が無いから無理だけど、卒業したという資格にさえこだわらなければ、問題はないかも知れないかも?


ただ、ドーラはもう結構漫画で日本語の読みはできる。だから授業を受けることも一応可能。

子どもたちは日本語は全く。


(そのうち、考えてみたいよな?)ドーラ

(うん、、)

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