第13話 ※

「指だけでイクヤツも居るからな、思う存分味わえよ」

「ちっ、ケツ締めんな、空気読めよ」

「声なら好きに出していいぞ、誰も近付きやしないしな」

異物が自身のなかに侵略してくる。

ただひたすら暴力的に。

乱雑に掻き回しては出て掻き回しては出る。

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!!!


「余り動くなよ、チラチラ前が見えんだよ。あー、さすがに萎えんなぁ~」

だったら今すぐ止めて離れろ、クソ!!


「スゲェな……何本入んだよ、これ……。女も……ここ迄……いけんのか?……さすがに、お前……限定か?」

知るかボケ、直接試せよ、巻き込むな!!


「んふぅ……そろそろ、止める……か」

動きが止まり、すぷっと指が抜ける。

無理矢理広げられてヒリヒリする。


「終わったんならいい加減退きやがれ!」

「お前……何、言ってん……の?」

コイツ、さっきから何で息が途切れる?


カサッと音がして突っ伏される目の前に見知ったパッケージが投げられる。

まさか、まさか、まさか…………

「仕方なく自○したんだ、お勉強させろよ」

やめろ、やめろ、やめろっっっっっっ!!!

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



俺が何をしたっていうんだ。

東洋の混ざりものだと馬鹿にされ、

赤みがかった髪色だとからかわれ、

対象の違いで蔑まれる。

刮目せよなんて誰も言ってない。

ただ穏やかに笑っていたいだけなのに。


こんな俺は救う価値もないっていうのか。

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