第12話 ※
俺が行ったところで戦力にもなりゃしないと判ってるが、講義前に取り巻きの口を割らせ居場所を突き止める。
選りに選ってあの建物の更に奥かよ。
未開のジャングルじゃん。
腰高の草木を掻き分けて中へ入る。
埃だらけの廊下に薄く残る足跡はひとつ。
奥から二番目の教室へと向かう。
中はもぬけの殻だ。
「誰も居ない……ガセかよ、あいつら」
「良く見ろよ、危機感足らねぇなぁ」
耳汚しでしかない声と共にドアが閉まり、振り向く間もなく後ろ手に捻られテーブルに押し付けられる。
「おぉい、動くなよ、指折れんぞ」
無理矢理揃えた親指が半硬質な何かで一括りにされ背中いっぱいに体重が掛かる。
身動きが取れない。
「何すんだよ、どけ、離せっ!!」
「言われてはい、って聞くかってーの。
お前さぁ、最近調子付いてるからお仲間の前でお仕置きしてやろうと思ったのに、何で先に来んだよ、超ウケるわ。まぁ、俺としてはどっちが先でも大差無いから良いけどな」
さて、本題。
「俺さ、最近彼女とマンネリだから新たな世界を開拓したいんだけど、なかなか同意してくれねぇんだよ、だからさ、勉強さしてくんねぇかな?」
…………何言ってんだ、コイツ。
「慣れっこだから構わねぇだろ」
ゲイなんだから。
「はっ、そんな変態臭いことばかりだから他の男に寝取られるんだよ!いい加減、愛想尽かされてるって気付きもしない、ダセぇ男だな!!」
「口の減らねぇガキだな、ちょっと黙れ」
身を起こした一瞬の隙を突いて逃げ出すつもりだったが、ヤツは俺のジーンズを掴むと一気に膝まで下ろしケツに向かって馬乗りになる。
「濡らしてから入れてやるよ、優しいな、俺」
自身の指を舐め、こちらを一瞥しながら下劣な笑み浮かべる顔がチラリと見えて全身が凍り付く。
「ちょっと、待て、やめろ……離せっ!!」
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