第10話 ※

「今日はダーリンの同伴は無しか、寂しいな」

アイツが居ないのを見計らったように茶化し始めるクソ野郎。


「お前らだってベッタリじゃ休まらないからたまに離れるんだろ」

「どういう意味だ?」

「一人の時間も大事って話」


ふん、と鼻で笑うとまだ話を続けてくる。

今回はやたらと絡みが激しい。

「互いに往き来してるんだろ、もうヤったのか?」


お決まりの探りが入る、子供か。

「アンタほど積極的じゃないんでまだだよ。

 教えてくれよ、どうやったら出会ったその日にヤレるのかを、しかも嫌がられずにさ。金も使わず互いを思いやりながら直ぐに持ち込めるその技術、尊敬でしかないわ」

「…………何だか刺ある言い方だな」

「そう感じるととしたらやましいことが有るからじゃね?」

「はぁ、んだと、コラ!!」

止めろと周りが制止に入る。


「お前が居るとキショい空気が移るから出てけよ、…………!!」

最後まで言い切る前に教員が入ってくる。


判ってる。

お前が言いたかったのはこれだろ?

――――ホモ野郎。

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