第4話

翌日、翌週と講義に出ると必ず隣に図体のでかいヤツがいる。

「今朝寝坊してテキスト忘れたわ、見して」

いや、何でいつも居んの!?

「言葉が通じる、安心感?」

留学しにきた意義を思い出せ!!

「じゃ、日本語はやめます」(敬語=not Japanese)

俺は一人で居たいんだってば!!

「まあまあ、気にすんなって、ははは!」

言語が戻ってる、たった今約束したばかりで速攻覆すな、どあほっ!!


「お仲間同士だと楽しそうだな」

更に面倒臭い野郎が絡んでくる。

金に物言わせ、女・取り巻きを侍らせ遊び放題の典型的な七光り学生。

常に自分が一番でないと気が済まないヤツ。

因みに俺の噂を嗅ぎ付けていち早く広げやがったクソ野郎。

相手にする時間も無駄なので遮断=無視。

「寂しい思いをせずに済んでます、助かります」

いや、お前応えんなよ!

「もしやアッチの方でも親睦深め済みか?」

そこかしこからの囁きと嘲笑。

「んんん、何ですか?」

「ぶはっ、仲良しは良いことって言っただけだ」

下品極まりない笑い方で後方の席へと向かうクソ五月蝿いヤツ等を視界から速攻で外す。

つまらない絡みをしやがって、最悪だ。


そして隣席の筋肉バカに改めて警告しておく。

「お前、もう俺に近付くな、迷惑なんだよ」

しかし返ってくるのは、

「ビビりだから無理、お前だけが頼り!」

頑として受け付けず、延々と付きまとうコイツをいい加減振り払う労力も失せ、最小限の会話を約束させ同伴を許す結果となる。


絶対言うこと聞かないのは知ってるけどな!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る