第38話 今日もワンダフルな子供が好き

未婚で、出産経験もない私だがなぜか子供の時から動物と子供に好かれる。



こう書くと意識高い系の方からはぶりっ子役者め!(ぶりっ子役者ってなんだ)と思われるが、異性には壁を作るが、動物と子供には、壁フリー(壁フリーってなんだ)のせいか、子供が寄ってくる。




年齢も年齢なので、異性に寄ってきて欲しい年頃なのだが。



小学生の時は、同級生の家に集まって遊ぶと、必ずお姉さんの後をついてくる妹や弟がいた。



同級生達が、クラスの男子の恋ばなや噂話に花を咲かせている中、気がつくと私の周囲をぐるっと飽きてしまった妹や弟に囲まれている。



「ねえ、おねえちゃん、ディズニーすきぃ~?」と気さくに無邪気に話かけてくる。


あなたのおねえちゃんは、今恋ばなで田中(仮)が好きだとくねくねしている人よ。と子供時代から子供らしくない私は思いつつ答えてしまう。



なぜなら、ワンダフルすぎる。

英語では、驚くべき、不思議ななどの意味がある。



一人っ子の私には、低学年の舌ったらずな話し方、まだ世間を知らない(サンタクロースは本当はいないとか←幼稚園から私は信じていないむなしい子供だった)か奇想天外に話す。



眠れる森の美女の絵本を私に持ってきて「ねー、ねー、ちゅーしてるよ、きゃふふ♪」

何が楽しいのか分からず、いちよううなずく、私としてはそんな夢物語より今は同級生の恋ばなにまざりたいのだが。



「わー、えろい~ !えろい~!」男の子は、馬鹿な...無邪気なのか囃し立てる。



眠れる森の美女で、こんなに話が盛り上がるものかと、おののく。



学校の階段じゃなく、大人の階段を登りはじめていますよ、お姉さん方。いつも家族としているせいか振り向きもしない。



ある時は、高校生の時に買い物に自転車で行く途中、うろうろ「おかあさーん! 」と泣きながら、ランドセルを背負った小学2年くらいの女の子が泣いていた。



周りの大人達は見てみぬふりだ。私もそのうち帰ってくるだろう母親を思い気になりながらも通りすぎようとした(ひどい )


が、すでにその涙目の瞳は私をロックしていた。



出来れば、好きな子にロックされたいお年頃だったが。



「お母さん、いないの?」

声をかけると、目の前にあった家を指していた。どうやら買い物に行ってしまったらしい。



「近所にお友達の家はある?」と聞いてから1時間近く、家を訪ねたがいない。



結局、その子の家に戻る。

泣いているのに、また泣きそうになる。

「お母さんが戻るまで、お姉さん一緒にいるから」


その子はうなずき、高校生と言えど私は疲れきっていた。



高速でままチャリが来たと思ったら、お母さんだった。散々、謝罪されて、困ったのでその子にバイバイを言って家に帰ってた。



買い出しを忘れてた。



小学6年生の時に1年生の面倒を1週間見る課題があり、なぜかそこでも時間をかけたら、給食の時間に包囲され、あっちからもこっちからも話しかけられる。




「朗読の声は小さいな!あはは!」元気な男の子が容赦ないダメ出しをしてくるので、だが事実なのであやまる。



1週間でも情がわき、可愛くて仕方なくなる。



あの時に、変なモテ期の全ての運を使い果たしたのかもしれない。




だが、突拍子もない大人では考えもつかない発言や行動をするワンダフルな子供が今日も好きだ。





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