第37話 パランの荒野で一波乱。

 シナイの荒野を出発してパランの荒野に到着。部族ごとに秩序正しく進みます。


「民の中にいた様々な外国人が利己的な願望を口にし、イスラエル人も泣いてこう言い出した。『誰が肉を食べさせてくれるのか。エジプトでただで食べていた魚が本当に懐かしい。それに、きゅうり、スイカ、ネギ、玉ねぎ、ニンニクもだ。それが今、私たちは痩せ衰えている。目にするのはこのマナばかりだ』


 そうです、エジプトから一緒に脱出してきた外国人が文句を言いました。それを聞いてイスラエル人は泣くんです。


 毎日マナばかりじゃ飽きるよね。分かるよ。ニンニクと玉ねぎを炒めて食べたいよね。荒野の旅は過酷だもの、スイカも食べたくなるよね。


 肉をくれー、モーセよ、肉だ。肉だ。肉を食べさせてくれー!


 モーセは民の泣き叫ぶ声でノイローゼになったかもしれません。神様に「私一人でこの民全てを負う事はできません。私には無理です。このままにされるつもりでしたら、どうぞ、今、私を殺して下さい」と嘆願します。限界。


 神様はモーセの願いを聞き入れました。七十人を選び出し、聖霊を与えます。モーセの仕事の荷を軽くします。他の仕事は別の人に任せなさい。モーセお疲れ様。


 この回から民数記に入りました。一章で神様から人口調査を命じられ、数を数えていることから民数記という名称。ヘブライ語では「荒野にて」です。


 そしてまたウズラを宿営に落とします。やっと肉が食べられます。しかし、貪欲を示して人より多く蓄えた人は処刑されました。人の分も奪ったんでしょうね。


「その肉がなお彼らの歯の間にあって噛まれていないうちに、神の怒りが民に対して燃え立った。神は民を打ち始め、非常に大勢の人を滅ぼした」


 ホッ、ホラーです。ウズラ肉の呪いです。神様、せめて一口食べさせてあげて。

貪欲は罪なんですね。私も餅拾いの時、ヤバい。冷凍保存考えて、貪欲です。


 ちょっと人口減って、落ち込むモーセにさらなる悲劇が襲います。お姉ちゃんのミリアムとお兄ちゃんアロンが、モーセを非難するようになりました。


「神が話したのはモーセを通してだけでしょうか? 私たちを通しても話したのではありませんか?」 


 簡単に言うと、ミリアムもアロンも聖霊が注がれてるんですが、なぜモーセだけが預言者のように振るまうんですか? 私たちにも民を導く資格がありますよね。異国の女を妻にしているモーセより、私たちの方が、ふさわしい。怒。


 神様は、その言葉にプッツン。私はモーセに民を託しているんだ! 私に仕えるモーセをなぜ非難するのか! とお怒りモードで、ミリアムを重い皮膚病にします。お姉ちゃんの手が腐り始めるのを見て、アロンもモーセも焦ります。

「お願いです。私たちは愚かな事をしました。姉の手を腐らせないで」アロン泣。


「神よ、どうか姉を癒やして下さい! お願いします」モーセ、嘆願。


 ミリアムは七日間の隔離で、皮膚病体験終了です。痛い目にあいましたね。みんなに噂された事でしょう。実の姉でも権威に逆らうと、危険です。見せしめ。


 落ち着いた頃、部族から一人の男子、つまり全部で十二人をカナン地方に偵察させよ! と神様から命令がありました。モーセ、大忙しです。十二人召集。


 イスラエル国の十二部族、覚えていますか? ヤコブの臨終の預言で取り上げた十二部族です。モーセは十二人に使命を与えました!


「ネゲブに行き、山地に登って行きなさい! そこがどんな土地か、そこに住む人々が強いか、弱いか、少ないか多いかを見なければなりません。その土地が良いか悪いか、肥沃か不毛かも調べなさい。勇気を出し、その地の実りを取って来なければいけません!」民数記13:17〜20


 さぁ、行け! 十二人の選ばれし戦士よ! 約束の地カナンに偵察に行くんだ。ワタル、ミツル、マサル、あっ、違った。知る人ぞ知る。


 ルベン族代表シャムア、シメオン族代表シャファト、ユダ族代表カレブ、イッサカル族代表イグアル、エフライム族代表ヨシュア、ベニヤミン族代表パルティ、ゼブルン族代表ガディエル、ダン族代表アミエル、アシェル族代表セトル、ナフタリ族代表ナフビ、ガド族代表ゲウエル、マナセ族代表ガッディ。


 みんな頑張れー! このうち二人が有名になります。こうご期待! 

 

 

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