第34話 シナイ契約 十戒

 エジプトを出てちょうど二ヶ月がたちました。ここはシナイの荒野です。

イスラエルは山の前に宿営します。お疲れ様です。


 シンの荒野を出てから一ヶ月、色々な事があったんです。レフィディムでは、また水がないと民が暴徒化し、不満をモーセにぶつけます。モーセはこの時、初めてイスラエル国民の殺意を感じます。


 その時は岩を杖で打って水を出します。そのあと、アマレク人の略奪隊との戦いもありました。エジプトから貰った財宝に目をつけられました。


 アマレク人はヤコブの双子の兄弟、エサウの子孫です。めちゃくちゃ仲が悪い部族です。モーセはヨシュアをご指名。次のリーダーにしようと考えていたのでしょう。ヨシュア率いるイスラエル軍団が勝利。


 シナイに来る途中、モーセは妻チッポラと息子二人、舅エテロと再会します。エテロ、どんだけ長生きなんでしょう。エテロはモーセに仕事を分担するようアドバイスして、ここでサヨナラします。神様の言う事しか聞かなかったモーセが、エテロの助言を当てはめました。信頼していたんでしょうね。妻子同行。


 そして、シナイ山。燃える芝を見て、エジプトに行けと言われた思い出の場所です。駄々こねたね、モーセ。けど無事にイスラエル国民を脱出させて、またこの山のふもとに戻ってきたね。感慨深いでしょう。


 神様はモーセに契約の話をします。神とイスラエル国民の契約です。モーセは仲介者。


「イスラエル人にこう言いなさい。『あなたたちが、私の声にしっかり従い、私との契約を守るなら、あなたたちは必ず、私の所有物となる。あなたたちは私にとって、祭司たちが治める王国、聖なる国民となる」19:4〜5


 大丈夫でしょうか? 文句たれブーの国民です。ついこの前も水がないって暴れたヤンチャな国民です。条件はただ一つです。神とのです。


 モーセが神の言葉を長老に伝えると、「私たちは神が話した全ての事を喜んで行います!」と答えました。モーセは胸を撫で下ろし、神様に報告。


 神様は二日後、イスラエル国民の前に現れると約束します。その間、聖なる国民になるんだから、着ている服を洗いなさい! 妻とエッチな事をするな! 聖なる山に入るな! と念を押します。


「二日後の朝、雷が鳴って稲妻が光り、厚い雲が山に懸かり、角笛の非常に大きな音がした。宿営にいた民は皆、震え出した」


 神様がシナイ山に下ってきたんです。ガクブルするイスラエルの民。初めて神様の栄光を見たんでしょうね。山は煙に覆われて、山全体が震動します。


 神様はモーセだけを山頂に呼びました。モーセは慣れっこです。ありがたく神の言葉を聞きます。十戒を与えられるんです。十戒といえば、二枚の石板に書かれた物と思われますね。しかし、ここではまだそれは貰えません。言葉が先です。


 神様、長々とモーセに話してますが、要約したいと思います。


一 私は主、神である。あなたは私以外のどんなものも神としてはならない。

二 偶像を作って、それにひれ伏してはならない。

三 神の名をむやみに唱えてはならない。

四 安息日を守るように。

五 父と母を敬いなさい。

六 殺人をしてはならない。

七 姦淫をしてはならない。

八 盗んではならない。

九 偽りの証言をしてはならない。

十 隣人のものを欲しがってはならない。



 どうでしょうか? 十のおきてです。守れますか? 殺人をしてはならないの前に、両親を敬う事の方が先なんですね。ここにいつも驚きます。


 しかし、十戒はあくまで十戒。イスラエル国民はこれだけ守ればいいわけではありません。条項はまだまだあります。いわゆるモーセの律法です。


 613の命令があるんですね。笑。モーセはどうやって覚えたのかしら?


「神はシナイ山でモーセに話し終えると、証の石板二枚を彼に与えた。神の指によって書かれた石板だった」31:18


 たくさん規定を与えられて、石板二枚ゲット。結局、四十日四十夜、山にいたモーセ。その大事な石板をイスラエル国民に見せなくちゃ。るんるん。


 しかし、なんという事でしょう! モーセの帰りが遅いので、イスラエル国民はとんでもないお祭り騒ぎをしています。


 神様もめちゃくちゃキレて、早く山を降りるようにモーセに命令してます。


何があったんでしょう。モーセ頑張れー! 


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