第25話 十の災厄 アブ、疫病、腫れ物

 三つの災厄がで痛い思いをしても強情なファラオ。神様はモーセに言いました。


「朝、早く起きて、ファラオの前に立ちなさい。あなたは彼にこう言わねばならない。『神はこう言った。「私の民を去らせて私に仕えさせなさい。もし去らせないなら、私はあなたと家来たちと民の所、あなたの家々にアブを送り込む。エジプトの家々はアブでいっぱいになり、人々が立つ地面もアブで覆われる」


 カエル、ブヨの次はアブですって。アブと言ってますが、ハエも含む種々の昆虫の事です。昆虫嫌いな人は卒倒しますね。


 しかし、イスラエル人が住むゴシェン地方は災厄が臨みません。ファラオにイスラエルの神を認めさせるためです。


 モーセの警告通り、翌日、エジプト全土はアブだらけになりました。最悪。


 ファラオは仕方なく妥協案を言います。

「さあ、この土地でお前たちの神に犠牲を捧げよ!」


 モーセは速攻で答えます。イスラエル人はエジプト人が忌み嫌う羊を犠牲とするので、そんな所見られたら、石打ちにされます。荒野で捧げたいです。

 

「じゃ、荒野で捧げよ! しかし遠くへ行くな! 私のためにも祈れ」

 ファラオは譲歩します。そして自分のためにも祈れと。わがままな王様です。


 モーセはファラオの言う通り、アブをエジプトの地から取り除いてくださるように、神に祈りました。だって、そしたら荒野で犠牲を捧げられます。ラッキー。


 ファラオは約束を守りませんでした。また心を固くして、神を全否定。


 神様はプッツンして、次の災厄をエジプト全土に臨ませました。五番目の災厄は疫病です。エジプト人の家畜は、恐ろしい病気になりました。


 馬、ラクダ、牛、羊が死んでいきます。しかし、イスラエル人の家畜は一匹も死にません。神がちゃんと区別しておられたのです。エジプトでは雄牛の神をアピス、雌牛をハトホルと呼び、偶像礼拝しています。家畜を守る事が出来ませんでしたね。イスラエ人はザマァと笑っていた事でしょう。知らんけど。


 ファラオはそれでも強情。はい、次の災厄。モーセはをとって、空中にまきました。このかまどはレンガを焼くかまど。すすは、イスラエル人の強制労働の象徴です。


 花咲か爺さんとこのポチが殺されて……灰を撒いたら花が咲いたように、すすを撒いたら、エジプト人と動物全てに膿の出る腫れ物が生じました。


 それはまるで、イスラエル人の苦しみの仕返しのようです。すすに触れると、皮膚が赤くただれて痛い。鞭打ちの痛みを思い知れ! 


 もちろんこの災厄もイスラエル人は無し。その痛みの快感を味わいたかった人もいたでしょう。知らんけど。


 この災厄は呪術者にも及びました。全く役に立ちませんね、此奴ら。


  ここでプチ情報。古代エジプト神話に出てくる神様ご紹介。

  

 世界が光のない混沌とした状態の中、突如現れたのが太陽神ラー。ラーは大気の神シュウと湿気の女神テフヌトを産みます。シュウとテフヌトは結婚して地の神ゲフと、空の神ヌトを産みます。

 

 ゲフとテフヌトから豊穣の神オシリス、医学の神イシス、厄災の神セト、死者の守護神ネフィティスの四兄弟誕生。


 イシスとオシリスが結婚してエジプトの王様になったとの事。そしてその子どもホルスがエジプトの王として君臨。以来、地上を統治する王〈ファラオ〉はホルスの化身とみなされるようになりました。


 なので、自分は神の化身だと信じているゆえに、このファラオは強情なんですね。イスラエルの神は奴隷の神だとバカにするのも頷けます。


 しかし、この災厄によって、医学の神イシスも、厄災の神セトも、癒しの神セラピス、薬の神イムホテプも何の役にも立たない事がバレました。


 イスラエル人はきっとザマァってなったでしょうね。知らんけど。


 またまたファラオは強情になります。次回、さらに三つの災厄お伝えします。


  





 

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