第21話 モーセ、人殺したってよ。うそ?!
モーセはエジプトで何不自由なく生活しました。教育も、身につけるものも一流だったでしょう。しかし宮殿からいつも想っていたのは、ヘブライ人の家族だったと思います。お兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さん、お母さん。(泣)
「さて、モーセは大人になってから、同胞であるヘブライ人が負っている重荷を見ようとして出て行った。そして、その一人がエジプト人に打ち叩かれているのを見た」二章十一節
やはり気になっていたんでしょうね。様子を見に行きます。まだヘブライ人は奴隷として過酷な状況でした。目の前でヘブライ人が殴られています。モーセはどうするでしょうか?
「それで辺りを見回し、誰もいないのを確かめてから───そのエジプト人を殺して砂の中に隠した」二:十二
止めに入ったんじゃないんですね。まず周りを確認しています。殺す気満々ですね。素手ですか? 絞殺ですか? 棒ですか? 詳しくは書いてません。
初めて見たのではなく、普段から憤りを溜めていたのかと思います。証拠隠蔽。
正義感でした行動かもしれませんが、人を一人殺してるんですね。その夜って夢の中でうなされたりしなかったんですかね? 嵐で遺体が出てくる事とか想像しなかったんでしょうか? 小心者のハナスは寝付けないと思います。
翌日、今度はヘブライ人同士で喧嘩しているのを発見します。モーセは殴っている方の男に、「どうして仲間を殴るのですか?」と聞きます。
モーセはやはり同胞を愛していたのかもしれません。ヘブライ人がエジプト人を殴っていたら、どう反応したのか気になります。聞かれた人は答えます。
「誰が貴方を我々の支配者や裁判人にしたのか。あのエジプト人を殺したように私も殺すつもりか!」 逆ギレ?
モーセ、顔面蒼白。昨日のエジプト人殺害見られていました。最悪。パニック。
その男の人からしたら、殺人した癖に、説教するんじゃねぇってお怒りモードで言ったんでしょうね。あんたがご馳走食べてる間も、こちとら朝から晩まで働いてるんだ! ってモーセを責めたかったでしょう。
モーセは「あの事をきっと知られてしまったに違いない」と言います。
モーセ殺人事件がファラオの耳に入りました。ファラオはプッツン。モーセを殺せと命令します。元々、ヘブライ人のモーセの事が嫌いだったでしょう。
モーセは逃げる。ファラオから逃げる。砂漠の中を走る。逃げる、逃げる。
ミディアン地方まで逃げます。井戸発見。喉カラカラ。水ゲット。ふと見ると、女の子たちが羊に水を飲ませようとしていました。すいやせん、どうぞ。
女の子たちが、水を汲もうとした時、別の羊飼いたちが乱暴に女の子たちを追い散らします。いますね、こういう男子。
モーセ、ほっておくのではなく、女の子たちを守ります。男子を追払い、女の子たちの羊に水をやりました。
運命の出会いです。この女の子たちはミディアンの祭司エテロの娘たちでした。エテロは娘たちからその話を聞いて、モーセに感謝のおもてなしをします。
七人の娘。逞しい青年モーセ。はい、整いました。お父さんエテロはチッポラという娘をモーセに妻として与えます。
勇気があって、力持ちで、美形のモーセを婿にしたかったんでしょうか。詳しくは聖書に何も書いてありません。
モーセが自分で、自分のことをヘブライ人だと言ったと思いますが、殺人犯してエジプトから逃亡中なのは内緒だったかもしれません。
ミディアン人は、アブラハムが再婚した相手との間に出来た子どもの子孫です。エテロやチッポラにとったら申し分のない結婚相手です。一応おめでとう。
モーセ、やる事をやって子どもが出来ました。ゲルショムという名前をつけます。名前の意味は「私はこの土地で外人居留者」です。なんか可哀想です。
日本人なら、「逃人」とか「よそ子」レベルの残念な名前。ちなみにチッポラは「小鳥」という意味。夫に反対しなさい。モーセ、貴方が改名しなさい!
モーセがチッポラとイチャラブしている時も、イスラエル人は奴隷状態のゆえにうめき、助けを求めて絶えず神様に叫んでいました。
「やがて神は彼らのうめきを聞き、アブラハム、イサク、ヤコブとの契約を思い起こした。そしてイスラエル人に目を向け、心を留めた」二:二十四、二十五
おそ、神様、遅っ。やっと重い腰を上げました。上から目線。
さあ、モーセをイスラエルの指導者として用いる準備が整いました。モーセを殺そうとしていたファラオも死んじゃったよ。良かったね。嫌味
モーセ、がんばれー! 前科一犯だけどがんばれー! 嫌味。
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