第13話 エジプトのファラオ 「先、言ってよ!」
さあ、エジプトに入る寸前、アブラムは妻になんて言ったでしょうか? 正解を知っている方もお付き合い頂きありがとうございます。ペコリ
正解は創世記十二章十一〜十三節です。そのまま書きますね。
「聞いておくれ。あなたはとても美しい女性だ。エジプト人は、あなたを見ると『この女はあの男の妻だ』と言って私を殺し、あなたを生かしておくだろう。それで、どうか私の妹だと言ってくれないか? そうすれば私は無事でいられる。あなたのおかげで死なずに済むのだ」
はい、勘のいい皆さま、お分かりですね。アブラムはサライに嘘をつくよう言いました。何で? サライをエジプト人に差し出せば、最悪自分は殺されないからです。
この当時、エジプト人は綺麗な女性を見ると、無理矢理自分の妻にしました。
サライは美人です。そこら辺のオッさんに奪われるのではなく、きっと、ファラオのハーレムに連れて行かれるだろうと、アブラムは恐れていました。
夫なら殺される。しかし、身内だったら、サライを差し出せば花嫁料が貰えます。六十五才ですが、二十歳くらいにしか見えないサライ。超美人です。
エジプト人は自分達より、肌の白い女性が好みでした。私も色白ですけど。すいやせん、二十歳には見えない。んんっ、複雑。
サライはどう思ったでしょうね。確かに異母兄妹です。半分本当です。けど、夫とロト、召使いの事を考えると、自分さえ我慢すればいいと考えたかもしれません。夫アブラム、自己中です。ベールで覆った顔、涙が溢れていたのかしら。泣
「アブラムがエジプトに入るとすぐ、エジプト人はサライを見て、非常に美しいと思った。ファラオに仕える高官達は、サライを推賞したので、彼女はファラオの宮廷に召しいれられた」
やはり、アブラムの思っていた通りになりました。大奥みたいですね。美しい人妻は、お殿様に持ってかれるのです。処女じゃなくてもいいんです。
「ファラオはサライを気に入ったため、アブラムに、羊、牛、ロバ、ラクダ、男女の召使いを与えた」
なんと、アブラムは、サライを差し出して、たくさんの財産を手に入れました。ある資料では、甥のロトがエジプトの財産に目が眩んで、サライを差し出せばとすすめたかもしれないとありました。
いずれにしても、愛する妻を他の男にとられるんです。肩揉みとか、料理人じゃなくて、女性としてですよ。アブラムが受け取ったという事は、サライと性関係を持ってもいいという返事です。
男性は耐えられるのかしら? 私の夫はきっと、一緒に死のうって言ってくれ……ないかな。のし付けてどうぞって言われたりして。私もファラオなら喜んでって自分から行ったりして。あっ、まず美人じゃない。自虐。妄想。撃沈。
サライの気持ちは聖書に何も書かれていません。アブラムの気持ちもです。読者はヤキモキするでしょうね。ファラオとヤッテ、サライに子どもが出来たら、歴史が変わってしまいます。
事態に神様が介入しました。ファラオのオ◯ンチ◯を使えなくすればいいんです。サライと合体しないように、神様はファラオと、家の人達に災厄をもたらしました。この災厄が何かは書いてありませんが、皮膚病ではないかと、資料にありました。サライとベッドを共にする前に、痛みか痒みを与えられ、サライはアブラムの妻である事を神様に教えられたようです。
ファラオは「先、言ってよ!」と怒ったに違いありません。
「何という事をしてくれたのだ。彼女は自分の妻だ、とどうして私に言わなかったのか。どうして妹だと言ったのか! さあ、あなたの妻を連れて、出ていきなさい!」めちゃくちゃキレてます。
もうアブラム殺して、無理やりサライを愛人にすればいいのに、神様がアブラムの味方だと知ったので、とにかくエジプトから追い出します。
ファラオはいい迷惑ですよね。お宝も全てプレゼントです。アブラム、テヘペロ。
家畜と金と銀をたくさん持って、エジプトをあとにしました。アブラムキャラバン隊は、来た道を戻り、ネゲブを経由して、アイとベテルの間に天幕をはります。
夫婦ケンカしたのかしら? それとも天幕で愛を確かめあったのかしら?
聖書には何も書いてありません。ここは想像すると楽しいですね。
皆さま、どうでしたか? 正解はアブラムが妻差し出して、多くのお宝と食糧をゲットしたです。
次回、色々ありましたが、アブラムに子どもが出来ます。
乞うご期待!
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