第4話 箱船を造るよう命じられる

 さあ、ノア、メモの準備はいいかしら。神様が箱船の造りかた話しますよ。


「樹脂の多い木で箱船を造りなさい。箱船に中には部屋を造り、箱船の内側と外側をタールで覆いなさい」六:十四


 はい、質問。樹脂の多い木ってなんですの? 聖書の中に一度だけ出てくる木、「ゴフェルの木」らしいです。この語はこれ以外登場しないので、きっと箱船作ったら、絶滅でしょうか、知らんけど。次、大きさの指示があります。


「箱船の長さは三百キュビト、その幅は五十キュビト、その高さは三十キュビト」


 はっ? ノアには分かる単位でしょうが、ハナスには分かりません。キュ、キュビト? 一キュビトは肘から中指までの長さですって。


 人によって違うんじゃないんでしょうか? 四十二センチから四十五センチくらいだそうです。まあ、四十五センチで計算しましょう。


 そうすると、長さは百三十五メートル、幅二十二・五メートル、高さは十三・五メートルです。大きいですよね。ビルの四階くらいの高さ? 


「上から四十五センチの所に採光窓を作る。箱船の側面に入り口を付け、一階、二階、三階を造る」六:十六


 天窓を作れって事かしら? 光を入れて、換気も必要ですね。けど、驚いた。三階建てなんですね。床面積で言いますと、日本人に馴染みある言い方にしますね。九百二十坪ですって。奥さん聞きました? 全部で二千七百六十坪。


 余計に分からない。うーん、船なら四万三千トンの水を運ぶタンカー。もっとややこしい。羊だと十三万頭運べるんですって。メェメェうるさい。


 大きさに興味持った方は、ググってみて下さい。オランダの男性が全く同じサイズの箱船作った画像があります。十八億かけたんですって。お疲れ様。


 あっ、そういえば、タールで覆えって言ってませんでした。防水加工しろって事です。タールはヘブライ語では「ヘマル」です。瀝青の事です。簡単に言うと、天然アスファルト。大洪水が来ます。防水しないと大変です。沈みます。笑


 ここで、恒例のプチ情報。

 

 この「ヘマル」というヘブライ語は、他にも使われています。あの、バベルの塔も防水加工してたんですって。大きい顔のニムロデ君、洒落臭いでしょ。


 あと、モーセが赤ちゃんの時、パピルスで編んだ籠に入れられてナイル川に流されたでしょ! そう殺されないように逃がす為に。その時の籠も防水加工。


 この防水加工で「覆う」、もう一回言うね、というワードは、「罪に覆いをかける」と同じ語なの。つまり贖いの事。あがない。


 イエス•キリストの贖いのあがない。聖書用語ですね。


 勘のいい方は分かったかしら? 覆うとは救出と関係があるって事。モーセもノアも救出されるんですね。神様ってめんどくさいですね。その事をノアにさせて、イエスの時代まで関連付けるんですもの。まあ、ノアは正しい人なので、文句言わないで命令通り頑張りました。


 あっ、まだだ。まだ指示がありました。ノアガンバレー!


 


 


 

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