第8話 KKRリゾートいで湯
風の丘から、おばあちゃんの軽自動車で
海岸沿いの細い道を走ると、すぐだった。
「近いんですね」と、めぐが言うと
おばあちゃんは「国道は、大きな車が走るから」と。
そこからの道は長いけど、海辺にあるKKRいで湯荘と
駅との距離は近い、って事らしい。
ついでに言うと、船も早い。
「んー、でも、やる気出てきたな」と、リサ。
「そだね」Naomi。
「あの工場って、どうして閉鎖になったの?」と、めぐ。
おばあちゃんは「時代、だったけの。石油は、輸入が安くなったはんで。」
国内で製油するより、遠い外国から運んだ方が安いって
変だけど、そういうものらしい。
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お金って、そこの国の政府が「この人の働きを(例えば)1万円」と認めます、って事なので
政府が無くなればただの紙になってしまうから
そこの国が安全だったり、「これから値上がりする(=国の人が働いて稼ぐ)」と
思われればお金持ちがそこの国のお金に変えて、持つから
お金の数が変わらなければ値上がりする。
そうすると、少ない金額で、外国のお金と交換できれば
例えば1$=360円=>120円になれば
120円で買える、と言う訳。
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「じゃあ、借金が一杯あったのかな」と、れーみぃは聞く。
「そこまで知らねけど....。会社が解散した時は、別に静かだったな」とおばあちゃん。
「それって?」とリサ。
「うん。もし、会社に借金が残ってるとすると、工場とか土地とかを売って
ちゃんと払えてないと、借金取りが来るかも。」と、れーみぃは法律的なお話をした。
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お金=>会社
株券<=会社
会社×=株券=紙切れ
と言う、(お札の話と同じ。)
もし、土地とか建物を抵当(質草と同じ)してると
それを売って払えているといいが
譲り受けると、それもついてきてしまう事がある。
それに、借金取りには良くない人も居るので
もし、ここの鉄道が再生した時に
抵当を理由にお金を請求したりする(違法だが)。
そこまでいかなくても「出資者だったのだから、その機関車や
線路を使ったら当然、お金を貰える」と言う人も出たりするので
それらの権利が解除されているか確認する、と言う事。
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「そんな事ないと思うけどね、国が学校に預けたんだから」と、但して。
でも、れーみぃの性格としては確かめて置きたいところ。
その辺りは貿易商のお父さんを見ていて、よく知っている。
経営って大変なのだ。
すぐに、おばあちゃんの車はKKRの裏について
狭い道を登る。
海岸沿いに、露天風呂があって、海に向いていて
そこにはビーチがなく、この道だけだから
目隠しの外側で、お風呂に入っている女の子が居たり(笑)
「おーっす!」と、Naomiはふざけて声を掛けると
女の子たちは嬌声を上げて隠れる(w)
リサは「女だよ、俺たち」
「俺って女の言葉かいな」Naomi。
「そっか、あはは」
れーみぃは「いいながめじゃのぉ」と、それを眺めて。
「これこれ、変態お嬢様?」と、めぐに。
「あーい、しつじさん」れーみぃは、お耳のところで両指を立てて、羊の角のまね。
「めーぇ」めぐも応える。
「姉妹漫才かいな、あんたら」リサ。
おばあちゃんも楽しそうに笑う。
「かしまし娘かな」と、Naomi。
「あれ、さんにんでねの?」と、おばあちゃん。
そこまでは知らない(笑)。
KKRの玄関は、とても立派な高級ホテルっぽい。
白い石作りで、椰子の木が並んでて。
バスが入れるくらいのロータリー。
研修所も兼ねているし、幹部くらいなら
ここで会議もしたりするから、まあ国鉄の一部。
「凄いねぇ」と、Naomi。
郵便のも結構豪華だが。
「職員でなくても泊まれるって知らない人が多いから、空いててね」と、リサ。
「宣伝しないの?」と、めぐ。
「旅館とかがかわいそうでしょ」と、リサ。
「なーるほど」と、れーみぃ。
豪華な玄関に似合わない、かわいい車が
煙を吐いて、到着。
「ありがとうございました、本当に」リサ。
「ごはん、おいしかったー」れーみぃ。
「お風呂、よかった」めぐ。
「いつか、汽車に乗ってください」Naomi。
おばあちゃんは、車から降りてきて「ん、工場の社長さんはまだ
元気だと思うから、あとで電話しとく。何か知ってると思う」と。
本当にありがたい気持。
それは、調べても判らない事だ。
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