第56話 Mail

そのうちに、季節が流れて

僕の家に、すみれ色の手紙が届いた。



さわやかな文字で、そこにはクロッカスさんの、お礼の挨拶が綴られていた。

僕らは何もしていない、と思ったけれども

クロッカスさんによると、僕らが彼女の事を気にしてくれたので

彼女に、その気持ちが伝わって。


元の野原で、もう少し

待って見るような、そういう気持ちになった、と

ちょっと不思議な言葉が綴られていた。



「良かったですね」と

かすみは、笑顔になった。私たちが、何かするよりも

それが自然でいいですね。


そう、かすみは言う。


さわやかなサテンのドレスが、よくお似合い。




  「そーだよねっ」と

ふたばは、ちょっと気の早い半袖、パフスリーブで

にっこりとした。


右手に、Soda風味のアイスキャンディ。


もう夏かな、陽射しもさわやかな休日の午後だった。

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