第46話 seazons greating

少しだけblue、そんな気持ちで散歩から戻った僕に、かすみは涼やかな声で

「お帰りなさい」と告げ、僕の様子を察し、なにかあったのですか、と問う。


僕は、さっきの小鳥と花、のことを言う。


かすみは「そうですね。小鳥さんは生きるために、食べているのですから。小鳥さんはきっと、お花が大好きなんですよ。そう思われるお花さんは幸せなのかもしれません。」


かすみは、穏やかに微笑みながらそう言った。


そして「皆様に愛でて頂けるのも花の仕事の一つなのです。いつか、枯れてしまうのなら、小鳥さんに食べて頂くのもひとつの花の生、かもしれませんね。でも、花はその小鳥さんのおかげで実を結ぶのです。そうして季節は巡って行くのでしょう」


かすみは淡々と言葉を紡いだ。



そうか。


花も、結実の為の機能なんだな。



儚くも美しい存在ではあるけれど

それは、感傷的な見方なのか。


植物も、懸命に機能しているんだな....

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