第44話 this masquarade

「でも」


かすみは、涼やかに言う。


「思った通り、するのが

いちばんですね。

いろいろ考えるのも。

いつか、振り返った時に

きっと、いい思い出になっているでしょう、あなたなら。」




僕は、

さわやかな香りにつつまれている。

それは桜花の香り、でもあるが

かすみの気持ちが嬉しかったの、かもしれない。



そう、あれこれ考えて

思った通りに生きるのがいい。


いまは、こうしていたいんだ。



「でも、これって」僕は、ちょっと思った。



「かすみやふたばって、実体が無いんだから

0次元コンプレックスって言うのかな(笑)2次元コンプレックスって聞いたことあるけど」



かすみは、微笑し

「私たちはここにいます。たしかに、あなたの

こころの中にある私たちのイメージは0次元ですけど

でも、それはほかの3次元や、2次元のひとでも

同じ事ですね」





...なるほど。

僕は納得した。


僕らは心に拠り所を持っている。

ひとに恋しても、小説のキャラクターに好感を持っても

結局、心の中では0次元の存在なんだから

等価なんだ。





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