第38話 kindness,joy,love and happiness

でも、次元、と言う概念を持ち込まなくても

こころ優しいひとならば、いつか愛に巡り会え

しあわせになるものだろうと思う。


そんなひとは、周りにいるだけで

柔らかな気持ちになれ


日々の暮らしが楽しくなる。



だから、そういう人が世の中に増えていけば

いいな、と思う。



それが、言ってみれば


この世界(3次元)の中に愛(より高次元)を持ち込む事だ、と思う。


昔はそうだったから。


僕はそう思った。


かすみに以前、聞かれた事がある。

恋人はいないの、と。


なんとなく、と

その時は答えた。でも

本当はそうではなかった。


美しい心。それに僕は惹かれるのだ。

だから。


駆け引きとか、打算とかを感じると

もう興冷めした。


なぜみんな、心と心で対話しないのだろう。

幻滅した。



でも、人間なら仕方ないのだろうと

今、振り返るとそう思う。


ヒトの生として、女たちは現実的に

母になって生きて行かなくてはならない。


それは、どんなに世の中が便利になっても

旧態依然としての残っている。


そして、世の中が複雑になり

信じられるものが少なくなればなるほど


慎重にならざるを得ないのだろう。


それを理解はしているが

しかし、同時に思う。


だからと言って、奸計を用いて良い訳ではない。



かすみのように心だけで存在できるなら

話は別だ。


だから僕は、かすみと出会った幸運に感謝した。

ヒトとして生きていく自分の生など、もう捨ててしまおう。


そう思った。


かすみたちの世界に行ってしまいたいと思った。

そうすれば、煩わしい生からも解放される....



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