第34話 nirvana

お天気だから、お花見にでも行こうか、と言うと


「はい、いいですね」とかすみ。


「わぁー、楽しそう」とふたば。




....でも、ふたりとも花なのにな(笑)と言うと


「あら、お花どうしでもお花見して楽しいです」と、かすみ。



「はい。いっぱいお話できますし...。」と、ふたば。




そうか、お花同士の会話ってあるんだろうな。


それはきっと華やかなのかもしれないな...。と



その日は、ガレージにあるCITROEN 2CVで出かけることにした。


キャンバスのトップをオープンにすると


空冷の2気筒エンジンは、ぱたぱたと愛らしい音を立てて

一生懸命に走った。


坂道に差しかかると、スピードが落ちるので、そのたびに「がんばってー」と、ふたばは応援(笑)


かすみは、にこにこと愛しそうに

ふたばを見ている。



シトローエンは機械だけど

機械とも心が通うのかな?なんて

ふと思う。


そう、魂、nirvanaがあるのかもしれない...。と

僕は思った。


僕等も、機械と意思がつながったと思う事が時々あるからだ。

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