第7話 dream journey

でも僕は、実際的なタイプだから

パニックになったりはしない。


..たぶん、ユリの神経毒のせいで

どこか、聴覚がヘンになったのだろう。


これは幻聴だろうと、そう思うと



「幻聴じゃないわ」


目の前の小さな花から

発せられていると思える声で


それは、聞こえる。




信じられないが、事実だ。


僕の思考が感じ取れるのか?



僕は、ちょっと悪戯心を覚えた。



その花、イメージにすぎない

彼女をイメージしてみた。


たぶん、可憐な彼女だから

スレンダーで、髪は長くて...



「...いいえ、でも...」と


声は、そう答えた。




夢か現か。よく分からない時空に

まだ漂っているような気分だ。


3次元空間に居ながら

イメージは4次元の、どこか

知らない空間につながっている。


ただ、思考だけが。


不思議な感覚だった。

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