第234話 しぇーくすぴあー

友里絵は、バッグの中から出したパリジャンを4つに分けて。


「ジャムと、マーガリンはおこのみで」


ブルーベリー、イチゴ、マーガリン、オレンジマーマレード。



由香「なんでオレンジだけマーマレードって言うんだろ」



友里絵「知らない」



由香「アンタが知ってるとは思わないけどさ」



友里絵「ま、いっか。じゃー、たべよー。」



菜由「こういうのが思い出になるんだよねー、あとで。」



友里絵「うう、あいつのパンの方が大きかった」


由香「そっちの思い出かい」



菜由「兄弟がいるとね。」



友里絵「そう!あたしたちは、これで義兄弟!~♪」


と、兄弟仁義を歌う友里絵。




由香「一宿一飯の恩義にござんす」



友里絵「へい。がってんでぇ!。♪ちゃんちゃんちゃーんちゃーん♪しゅっしゅっ!」


と、投げ銭の真似。




菜由「銭形の親分。なーつかしー。おじーちゃんが見てたな」



愛紗「水戸黄門と」



友里絵「なに?肛門とな?」



愛紗「そんなこと言ってないって」と、慌てる。



由香「まあ、いいのか。医学用語だし。」




友里絵「どっかの小学校に貼ってあったなぁ。

「こうもんであそばない」


由香「食いながらするなよ、そーいう話」



友里絵「めんごめんご」



菜由「でも、おもしろいね」



友里絵「最初に言ったの、愛紗だよー。」



愛紗「あ、たしはそんなこと、いってない」と、手を振って。





友里絵「そういいながらも少女は、背徳の誘いに

心の芯が燃え上がるのであった。

白い肌が薄桃色に染まり・・・ああ、わたしに火をつけたなら。

最後まで」




由香「そこまで来ると芸術だな」



菜由「小説家になろう!」



由香「H専門な」



友里絵「火をつけた、あなたの責任、最後まで」





由香「なーんか、オマエが言うといやらしい」



友里絵「消防標語だよーん」





菜由「見たことあるね。詰め所に貼ってあった。」



愛紗「なるほど・・・・。」




菜由「ナットクするなって」



愛紗「ははは」





「よし!これであたしらは、穴兄弟!」と、友里絵。



「バカ、違うだろ」と、由香。



友里絵は「あっそーか。棒姉妹」



菜由も、笑うに笑えない。



でも・・・あの車掌さんは車掌室で、くすくす(^^)


オトナじゃん。(笑)。






「でもさ、タマちゃんが愛紗のお父さんだったら、ドラマだね」と、友里絵。



由香「禁断の愛か」




「ああ、かわいい愛紗、君を僕は・・・。」と、友里絵。左を向いて深町のマネ。


「いけないわ、わたしたち、ああ、あなたはどうしてわたしの父だった」と、右向いて

愛紗のマネ。



菜由「落語家かいな」


由香「落伍者だよ」


愛紗も、面白いのでつい、笑ってしまう。




友里絵「笑ってる場合でーすよ」




由香「なんかそんな番組もあったなぁ」



パンを食べながら、もうすぐ・・・終点。


車掌さんが女の人なので、アナウンスもライブ。



ーーまもなく、終点、吉松です・・・・・

どなたさまも、お忘れ物、落し物ございませんよう

お願いいたしますーーーー。



オルゴールが鳴る。



「かわいいオルゴール」と、愛紗。


「どなたさまったって、わたしらしか居ないみたいだけど」と、菜由。



「他の車両には、いるんじゃない?」と、由香。



菜由「あ、そっか」



愛紗「阿蘇は明日」



友里絵「おもしろいねー。愛紗も。」



愛紗「へへ」

すこーしづつ、気持がほぐれてきた愛紗。



友里絵と一緒だと、考えてる暇がない(^^)ので

かえっていいのだ。



考えたって仕方ない。




「乗り継ぎ何分?」と、菜由。



愛紗は「えーと、次が30分。その次が一時間半」



由香「じゃあ、次で言った方がいいね」


とか言いながら、下車。



ドアのところで、さっきの車掌さん。にこにこ。


「楽しかったわ」と。



友里絵「あ、ありがとー。うれP」


由香「ふっるー。」


車掌さんは、白い手袋で口もとを押さえ「かわいいのね、とっても」


友里絵「はい!みんなそういいまーす」



由香「自分で言うな!」



車掌さん、笑顔。髪は綺麗に纏められていて。アップ。

帽子は、女子用の丸いもの。


スーツも黒。


きっちりメークしてるから、大人に見えるけど・・・。

笑顔は、友里絵たちと同じくらいの感じ。






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