第10話 機械の進化
そうして、どんどん乗りやすくなるバスは
労力の軽減に役立つが
森は「その操作を、一日中する訳だ」
毎回、同じに出来ないと。
もし、失敗した時
たまたま、立っているお客さんが居たら
事故になる事もある。
「かえって、満員の方がいい」と、森は言った。
意外に、ドミノ倒しにはならず
人間同士で楔になる、との経験である。
どこかに引っ掛からないと
よく事故例にあるように、最後尾の
真ん中に座っていた人が
急ブレーキで、前まで飛んで来る。
そんな事もあるらしい。
なので「排気ブレーキで止まれるくらいの
車間距離を持って、狭いところは走る」との事。
急いでも、信号で引っ掛かると同じだと言う、
理論的にはそうで
60km/h=>1km/min
1km以内に大抵信号や、バス停があるので
もし、ここを120km/hで走れても
120km/h->1km/30secだから
違いは30秒になる。
そんな速度だったとしても、その程度。
実際には90km/hも無理だろう。
それだと、15秒しか早くならないので
遅れたら、急ぐのはあまり意味がない。
せいぜい、75km/hで走れても
その7秒ちょっと。
広い道で、長く走らないと
速度の効果って低いのだ。
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