吉原動乱 3

◇◆◇


 

 

 八重と狛犬二体は屋根の上を駆ける。陽光の背中には北斗がまたがっている。

 八重が二体よりも頭一つ分飛びぬけて走っているのは、決して狛犬達が気をつかっているわけではない。むしろ、狛犬達の方がなんとか八重に追いついている状態であった。

 二人と二匹が向かう西南の方角からは、あちらこちらから煙が立ち上っていた。聞こえてくる戦闘音が次第に大きくなるにつれて、戦場に近づいているのが分かった。

 

「あれか!」


 視界の真ん中にひときわ大きな煙の柱が立ち上っているのが見えた。

 街道がある手前の所で八重が足を止める。二体もそれに続いた。

 八重は目を細める。

 煙の出元を探ると、街道をはさんだ向こう側の、ちょうど街角に小さな祠が立っている。祠といっても、小規模な神社ぐらいの大きさである。鳥居はないが、変わりに四方を結界のように麻縄で囲われていた・・・ようだった。


「これは、ひどい・・・」


 北斗はその有様に、顔をしかめた。

 社の結界は切られて地面に落ち、半壊した社の朱色の屋根で炎がなめるようにうねっている。周囲には庭師の姿をした妖怪達―――御庭番衆と塵灰組組員と思われる妖怪達の戦場が広がっていた。

 御庭番衆の方がおされているのは、見て明らかだった。

 八重は、ぎゅっと手に持つ槍を握りしめる。


ぬし、』

「わんころ共、絶対にそこを動くんじゃねえぞ」


 陽光の言葉を遮って、八重は槍を構えた。

 

「あんまし、こーいうごみごみしたところで使いとうないんのやけど緊急事態や。しゃあない」


 言われて、狛犬達は思わず一歩下がった。

 八重は狛犬達など眼中にないようだった・・・というよりも、彼女の視点は定まっていないようだった。敵を見ているわけでもなく、何もない宙を泳いでいる。泳いでいると言うと、少し表現に誤解が生じてしまう。それはまるで、宙に浮かんでいる見えない点と点を結んでいるようだった。

ふと、八重の瞳の動きが止まる。

 そして、彼女は無造作に槍を振るった。

 一度、二度、三度。いや、もしかしたらそれ以上動かしていたかもしれない。だが、北斗の目で捉えられたのはその3回だけだ。

 槍の斬撃が拡張し、空中に線が走る。


 次元干渉術―――空間断絶・三連


 八重の妖術は、目でとらえた空間上の座標と座標を結び、できた“線”や“面”を空間の切れ目として生み出す。

 瞬く間に、敵の体が真っ二つに割れた。どんな鋭利な刃物でも作るのことできないような、真っ平らな断面が生み出されている。ギロチンでも振り回しているのか。片や建造物は全くの無傷である。敵だけが倒れているのだ。

 御庭番衆は目の前の敵が既に死んでいることに気づき、あっけにとられている。


「何者だ!!?」


 増援の存在にようやく気が付いた塵灰組組員達がいっせいにこっちを向いた。

 そして、複数名による妖術が飛んでくる。何か砲弾らしきもので、炎やら雷やらいろいろ合わさっている。

 普通なら、きっと驚異的な攻撃に違いない。だが、飛び道具は八重にきかない。


「ご苦労さん。」


 鈴がりぃんとなる。

 そして、見えない壁に妖弾は阻まれた。

 後は八重の独壇場だった。

 狛犬達が動くまでもない。

 八重は戦場を縦横無尽に駆け回る。足場を空中に設置し、まるで宙を飛んでいるようだ。

 彼女が敵を相手にしている隙に、北斗は御庭番衆達の手当に取り掛かる。手当といっても、負傷者を社の傍に集めておくだけだ。北斗はその場に立っているだけでいい。

 北斗は自分からあふれ出す神獣の霊力を浴びせて、妖力の回復を図っているのだ。

 こんなことをすれば普通の妖怪なら北斗を喰おうとするものだが、相手は御庭番衆。普段から魅惑の街で己の性欲に抗っている強者たちなだけはある。精神力の強さは折り紙つきだ。それに、何かあったら陽光と影月が黙っちゃいない。

 そんなこんなをしている間に、社を包囲していた敵は八重によってあっという間に制圧されてしまった。

 八重は槍を社の屋根の上に突いて、その横に立っている。

 彼女のすぐ下にある社に目を向けると、何か文字のようなものが描かれた球体がその中にあった。ふらふらと頼りなさげに浮いているが、淡い光を放っているのを見ると、どうやらまだ機能しているらしい。

 北斗はほっと胸をなでおろした。


「さて、お前はこれからどうするんや。」


 八重は「やることはもう終わった。お前はいてもあんまり意味なくね?」と、暗に言っているようだった。

 言葉にオブラートを包む気が全くない、切り捨てるような言い方だ。しかし、八重は北斗がこのくらいでしょげてしまうメンタルの弱い奴ではないと、ちゃんと分かって言っているのである。

 狛犬(+北斗)と八重をここに向かわせたのは黒羽であり、八重本人の意思でない。黒羽が指示したことだ。そして、これは塵灰組と、謎の男から狙われている北斗の護衛の役割を八重が押し付けられたことを意味している。決して、八重が自惚うぬぼれて勝手に思い込んでいるわけではない。

 北斗には狛犬という強力な護衛がいるが、圧倒的な敵の数を前にどこまで耐えられるか分からない。その分、八重は元とはいえ四大妖怪であったほどの実力のある妖怪だ。、黒羽と同レベルの妖怪なのである。

 攻撃力もさながら、空間という空間そのものを切ってしまう絶対防御。物理的障害を一切通さないという、反則級の妖力系統の持ち主であり、攻守こうしゅ共にひいでた八重に北斗を任せるのは、とてもにかなったことである。客観的に考えれば、八重が北斗のお守り役に適任なのは馬鹿でもわかる。

 だがしかし当の本人からすれば、北斗は大層厄介なお荷物にすぎない。敵から狙われている神巫なぞ、さっさと逃がしてしまいたい、というのが彼女の本音であった。

 正直なところ、八重は北斗のことを信用しているわけではない。もし、妖怪と人間という隔たりを取っ払い、ただのひとりの友人として北斗をみるなら、彼は非常に好ましい性格をしている。だが、八重は妖怪であり、北斗は人間だ。今、八重達のいる世界は妖怪の生きる夜の世界である。法律も道徳も存在しない世界で、信用できるのは己の力のみ。自分のを貫きたかったら相手を倒すしかない。弱肉強食、強者絶対、それが妖怪の世界の根底理念だ。

 もしも、彼がただの好奇心でこの場にいるなら、さっさとこの場から立ち去るべきだ。この世界は、人間が娯楽で楽しむフィクションなんかではない。

 北斗を見据える八重の眼光は鋭い。

 陽光と影月は、ぐっと姿勢を低くする。八重が動けば、二頭は確実に彼女の喉笛に食らいつくであろう。

 だが、緊張が漂うこの場においてなお、北斗の表情は変わらなかった。ただ真っすぐに八重を見つめ、二頭を抑えてゆっくりと言葉を発した。


「確かに、八重の言う通りだ」

「なら」

「だが、これは俺の問題だ」

「ああん?」


 ピクリと、八重は整った眉を吊り上げた。そして、ぎろりと北斗を睨みつける。

 八重は明らかに苛立っている。


「お前、自分が」

「俺は自分がどういう存在なのか、よく分かっていない」


 八重は思わず開きかけていた口を閉ざした。

 ふつふつと、沸き立っていた湯に氷をぶち込まれたような気分だった。それだけ、北斗が自分自身で八重の言葉を否定したのが、意外だったのだ。


「俺は人間であるから戦闘能力は皆無だし、足でまといだ。その上、敵に狙われている。早く隠れてくれた方がいいのだろう。それが、神巫としてあるべき姿なのかもしれない。敵方に協力な神獣の力を渡すわけにはいかないからな」


 北斗の言葉を、八重はじっと黙って聞いていた。


「だけど、神を宿したのはまぎれもなく自分で選んだ選択だ。その選択に振り回されるほど、俺は意気地なしじゃあない」

「はん。それで?お前は何が言いたい」


 八重が問う。あえて挑発するような口ぶりは、むしろこのやりとりを楽しんでいるかのようだ。その目はもう、北斗を睨んではいない。


「俺は一体何者なのか、自分で知る必要があると思う。神巫だからなんだ。大人しく部屋の隅で縮こまっていろだと?笑わせるな。勝手におり役だとか思っているなら、いい迷惑だ。俺は、ただ守られるだけの自分でいたくない。悪いが、俺はここに残るぞ。」


 北斗は一息に言い切った。


「ほお。」


 八重は顎を撫でる。

 「面白い」。そんな表情である。

 これでこの人間が変なことを言ったものなら、鳥居の外へほうり捨てようと思っていたとこだった。

 十分、いや、それ以上の答えである。

 この男は、いや、北斗という人間は大した男だ。だからこそ、神獣の器となりえたのだろう。

 ははっと、声をあげて八重は破顔した。


「確かに、お前はこのままだといなりに守られっぱなしの未来だもんなあ。」

「なっ!?」

 

 思わぬ一撃だったようで、北斗はあからさまに動揺する。

この男、隠しているつもりだったのか。あまりにも分かりやすすぎる。

 八重はぽんと北斗の肩を叩いた。


「安心しぃや。言わへんでおいたる。」

「言わないって、なんのことだ!」


 顔を真っ赤にして珍しく声を荒げる北斗を見て、八重はにんまりと意地の悪い笑みを浮かべていた。




◇◆◇




 北東の方角にある明石稲荷社に向かって、瓦屋根を駆け抜け、いなりは愁の後を追いかける。

 幾筋いくすじも立ち上っている煙から、とにかく急がねばならないことは直感で分かる。

 

「いたぞ!」


 愁が短く叫んだ。

 街の角の広場―――社が見えてきた。社から炎が上がり、敷地と思われるところでは僧兵と交戦する御庭番衆達の姿があった。

 僧兵姿の妖怪は、海鳴り小坊主であろう。海鳴り小坊主というのは、かつて上杉謙信の軍勢に攻められ、海に身を投げて命を落とした僧兵たちの亡霊と伝えられる妖怪達だ。

 戦国武将と一戦を交えるほどの者達なのだから、その数は多い上に戦闘力は強い。御庭番衆達は少ない数でなんとか押し返している状態である。そこへ容赦なく他の塵灰組組員達がなだれ込んでいた。

 街道を挟んでいたこともあって街へ火の手は及んでいないが、時間の問題である。

 

「まずは敵を社から離させたほうがいいですね。」


 万が一、戦闘の余波で社が壊滅したらシャレにならない。


「敵をこちら側におびき寄せてください。」

「おう、じゃあどうすりゃいい。」


 いなりは真顔で愁の胸をとんと押す。

 そして、愁を屋根から下につき落とした。 


「ん?」


 思いもよらなかったいなりの奇行に、愁の頭は追い付かない。

 だが、どすんという背中から落ちた音で敵がこちらを一斉に振り向いたのは確かである。


「敵の増援か!?」

「やれ!!相手は子供だ!!」


 口々に何か叫んで、愁目掛けて術やら武器を放つ。

 愁はすんでのところでそれを刀で払いのけた。


「うお、やっべ・・・!!何してくれてんだいなり手前てめぇ!」

「効率よく敵をおびき寄せようかと思いまして。」

「だからって俺を餌にする必要あるか!!」


 うおおおおと雄たけびを上げて、愁は押し寄せる僧兵を次から次へとなぎ倒していく。体が一回りも二回りも相手の方が大きいが、愁の方が動きは速い。見事な刀捌きで複数の僧兵と渡り合っている。

 いなりとて、愁がこれしきのことで死なないと踏んで少々無茶な対応をさせているのだ。遊撃として、彼ほどもってこいの人材はいない。それに、あのままであったら戦闘に社と負傷した御庭番衆が巻き込まれかねなかった。

 愁が奮闘している隙に、いなりは社の近くへと建物の屋根をつたって回り込む。

 瞳が紅々と輝き、同じ色の炎がいなりの腕、足に絡みつく。その炎尾えんびはまるで生きているかのように揺らめき、脈を打っていた。


 炎術―――緋扇ひおうぎ


 それをまとったまま、いなりは屋根から飛び降り、真下にいた僧兵に躍りかかる。

 

「な、今度は何奴だ!?」


 僧兵は薙刀を振り回すが、いなりはひらりと飛んでそれをかわす。そして、横から突き出された薙刀を片手でおさえる。いなりの手から、炎が蛇のように僧兵の薙刀へまとわりつく。炎は僧兵の首へと食いつき、僧兵の体を焦がした。

 悲鳴を上げる暇もなく、僧兵は消し炭と化した。

 いなりは倒れる僧兵を盾にして、もう一方の僧兵の懐に入り込む。腕を下から突き上げ、顎に掌打。さらに流れるように側頭部に蹴りを入れる。

 炎によって攻撃力の上がっているいなりの体術。ただ妖力で筋力と身体能力を底あげしているときとは威力が違う。 

 火だるまになった僧兵は、愁が混戦を繰り広げている所まで吹き飛んでいった。 


「この、小娘がぁああ!!」


 裹頭かとうの奥の目を吊り上げ、残っていた複数の僧兵が一斉にいなりに襲い掛かる。

 いなりは態勢を低くして刃を避ける。その状態で身体を捻り、駒のように旋回して足払いを僧兵達にかける。

 そのときである。

 

「いなり、目ぇ閉じろ!」


 いなりは言われるままに目を固く閉じた。

 途端、カッとまぶたを何かが照らし、雷鳴がとどろくのが聞えた。 

 暫くして、恐る恐るいなりが目を開ける。すると、何故か僧兵達は目を抑えて地面をのたうっていた。 


「・・・何をなさったのですか?」 

「目くらましだよ、目・く・ら・ま・し。そっちの方がコーリツ的だろ?」


 愁は悪戯っぽく言った。


(なるほど、閃光弾のようなものか。)


 しかし、哀れなのはそんなことを知らない塵灰組の組員達である。

 よろよろとよろめきながら、僧兵達は薙刀を滅茶苦茶に振るっている。まるで赤子のチャンバラごっこだ。二人をそんななまくらで捉えられるはずもない。

 認知のための情報の八割から九割は目から入ってくるという。それだけ、視界を奪ったというアドバンテージは大きかった。

 いなりと愁は難なく敵を全ての敵を片付けた。




◇◆◇




 打って変わって、遊郭内の廊下は浅草組と塵灰組の混戦になっていた。

 廊下だけではさすがに狭すぎる。戦闘は次第に拡大し、襖をぶち抜いて座敷にまで及んでいる。中には遊女達や見世の若い衆が混じって塵灰組と交戦していた。


「ったく、坊主共はこんな色気むんむんの場所にいていいのかよ?俗世間を捨てたんじゃなかったのか?」


 そうぼやく三吉は、一人で五人を相手にしていた。しかし、不利な状況にも関わらず、三吉の顔には余裕がある。むしろ、、そういうように見えた。

 五人分の攻撃を両の腕に受けても、三吉の腕には傷一つつかない。三吉はそれをフンと気合で弾き飛ばす。

 

「さすがは浅草組若頭。そう簡単には倒れないか。」


 そう言ったのは、ぼろきれのような袈裟を纏ったぎょろ目の坊主―――野寺坊のでらぼうである。

 どうやらすぐ傍で三吉の戦う様子を見ていたらしい。戦闘能力を観察されていたようで、あまり気分はよくはない。


「若頭ってのはこそばゆい言い方だねえ。俺はもういいお年のオッサンだよ。」


 三吉が言い終わらぬうち、野寺坊が三吉の首に手刀を入れる。

 居合切りのような、目にも留まらぬ早業である。

 しかし、三吉は手の甲でそれをはじいた。


「連れねえな。そんなこと言ってねえで、オジサンと熱い夜を明かそうぜ?」

「ふん、抜かせ!」


 野寺坊が後ろに飛びさすったと同時に、その背後から他の妖怪が三吉に襲い掛かった。

 だが、三吉はすっと首を横に傾け、その攻撃をあっさりとよけた。

 そして、とんと軽く押すように妖怪の体に触れる。

 攻撃する動きではない。

 にもかかわらずである。直後、どおんという音がしてその妖怪が爆発した。


「何!?」


 花火のようなその爆炎を見て、野寺坊は思わず声をあげた。それは周囲にいた敵の妖怪達も同様である。

 この男の妖術の系統は炎なのか。だが、妖怪を爆発させる炎術なんて聞いたことがない。

 ―――いや、違う。

 野寺坊は、この派手な炎に見覚えがあった。


「よそ見してていいのか?」

「くっ・・・!」


 術に気を取られている野寺坊をよそに、三吉は距離を詰める。

 掌が野寺坊の首を掴もうとのびてくる。 

 すんでのところで、野寺坊はそれを交わした。

 とにかく、この男の手の平に触れてはならない。それだけは確実だった。


「ちっ、さすがに警戒されっか。」

「随分物騒な術のようだな。」

「まあな。おかげで実はオジサンここらじゃちょっとした有名人なんだぜ?」

「まさか貴様、御燈みあかしの・・・!?」

「お、まだ知ってる奴がいるねぇ。」


 一瞬。

 野寺坊の攻撃の手が緩んだ。


「はい、ターッチ。」


 野寺坊の頬に、ひたりと手が触れる。

 ぞわりと、背中に悪寒が走った。先ほど爆発させられた、同じ姿の妖怪の姿が野寺坊の脳裏によみがえる。

 ―――自分もああなるのか?

 恐怖が全身を駆け抜けた。

 だが、いつまでたっても意識は途切れない。体も無事だ。


「・・・・不発、だと?」


 三吉の手は既に自分から離れている。

 まさか、術の発動に失敗したのか?


「なんてな。」


 囁くような音が声として頭で変換される前に、野寺坊の頭部は吹きとんだ。

 三吉は、にやりと不敵に微笑んだかと思うとその場に腰を中腰に落とし、右手の手のひらを見せるように前へ突き出した。


「ご挨拶が遅れやした 。粗忽者そこつものゆえ、前後間違いましたる節は、まっぴらご容赦願いやす。」


 敵は皆、動きを止め、三吉の口上に見入る。

朗々と仁義を切る三吉の姿に、塵灰組も浅草組も吸い込まれるように釘付けになる。

一方は恐れを抱き、もう一方は懐かしさで胸をいっぱいにし、その口上を聞いていた。


手前てまえ生国しょうごくはっしまするは浅草の生まれ。名は三吉、ひと呼んで、“御燈みあかしの三吉”と申します。」


 御燈の三吉―――その名を知らぬものはいない。

 塵灰組は戦慄した。

 それは、かつて江戸の街を騒がせた妖怪の通り名。派手な爆音とともに人間の頭部を吹き飛ばすという残虐な術を扱う、妖怪までも震え上がらせた、爆殺魔である。

 

 三吉は立ち上がる。

勢いづいたように、浅草組が動き出す。

 

「さあ、こっから反撃と行こうじゃねえか。」


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