第14話 太一 13
「片手間に受けられる試験じゃない。
合格したら、初めて本試験が受けられるけど、そこでも半数が落とされる 。
でも合格してからが、本番。
2年間の司法修習を受けて、最終試験に合格しなければ、何も始まらない。
僕的には、最短ですべてを終わらせたいが、そんな事できるのは、特異な脳みその持ち主だけ。
予備試験に受かるのは、13000人受験して40人が受かるか、受からないかなんだよ。
そんな試験、凡人の僕が、1回や2回で、受かるとは、思えない。
だから、何処かの法律事務所に勤めながら、勉強を積んで、予備試験をパスして、司法試験を受ける。
だから、僕は、予備試験に受かるまでに5年、その後、司法試験を受けて1回か2回で何とか合格できたら、御の字だと思ってる。
だから、裁判官だろうが、検事だろうか、弁護士だろうか、ちゃんと名乗れるまでに、10年近くかかるつもりでいる。
君に10年待ってほしいとは言わない。
勿論、1年でも早く受かる様にしたいと思っている。
でも受験を抱えている以上、私的な時間は、勉強に費やしたい。
そして、受験から解放されたとしても、2年間は、司法修習生として、過ごさなければならない。
この期間は、何処の地での修習になるか解らないので、ほとんど家に戻れないと思う、それに、その間全く収入がない。
昔は、その期間、給料が出たらしいが、今は、一切で出なくなって、その代わり、無担保無利子で、お金が借りられるみたいなんだけど、借りて、弁護士になってから借金返済に苦しんでいる人が結構多いって聞く。
だから、僕的には、司法修習が終わってから、結婚を考えたい。
卒業する時にちゃんと話し合おうと思ってた。
こんな風にこの話になるとは思っていなかったから、説明したい事、ちゃんと説明できているか不安だけど・・・・
うん、そうだよな、10年待ってとは言えない。
でも5年、待ってくれないかな?
5年で先が見えなかったら、良子とのことも、検事や弁護士になる事もあきらめる。
僕にとって、良子は、心の支え、良子がいてくれたら頑張れるとおもうんだ。」
そう、良子がいてくれたら、勉強も頑張れるし、石にかじり付いてでも、5年後には、笑って、結婚式が迎えられる様に、いや、ストレートで試験が受かるようにがんばる。
と言いたかったが、良子の表情は、全てを拒否した時の顔。
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