第6話 太一 5

断っておきながら、ついでに聞いてみた。

「こんな事、聞いたらいけないかもしれないんですが、教えてもらえませんか?

一番お金のかからない、サークルは、どのサークルですか?」

と聞いてみると

「一番儲かっているのは、株取引を研究しているサークルかな?」

「えっ?サークルで儲けるんですか?」

「ああ、あいつ等、儲かった金で、高級車乗り回しているよ」

「へ〜、そうなんだ。

あっ、そうじゃ無くて、儲からなくていいですけど、月5〜6000円の以内の部費の負担で、仲間と楽しく過ごせるようなサークルありませんかね」


「ああ、なら、こじんまりやってる、テニスサークルとか?

あっ、友達が入ってたんだけど、運動不足を解消するなんたら、っていうサークルで、そこら辺りで、走ったり、ドッジボールしたりしているから、それだったら、あんまり金かからないんじゃね?」

「ドッジボール?!それ、良いですね。

その運動不足解消、何たらって言う、そのサークルは、何処に行けば話聞けますかね?」

「そしたら、友達に、聞いてみてやろうか?」

「お願いします」

「じゃ〜明日にでも聞いて おくから、携帯の番号!」

動機が不純なサークルをやっている奴にしては、とても気さくで、親切な先輩に出会えて、ラッキーだった。


翌日の夕方、律儀にもその人から連絡があって、「運動不足から体を守る会」という、まじめなんだか、ふざけているのかよくわからない、サークルの代表に会う事ができた。

話しを聞くと、大学受験でなまった体を楽しみながら適度に鍛え直すのを目的につくられた同好会で、スポーツと名の付く物は、極力お金をかけないで、なんでもやってみるという物で、普段は、学校の体育館や、キャンパスの広場や、グラウンドを利用。

学校の施設が使えないときは、学校近くの市民センターの体育館などを利用する事もある。


長期の休みの時には、泊まりがけでいわゆる合宿をするので、多少は、お金がかかるけれど他のクラブや同好会と違って、試合に出たり、遠征したりはしないから、まあ、たかが知れている。

普段の部費は、月に3000円

で、今は、来年早々に、スカイダイビングを計画しているから、その積み立てが2000円。合計5000円。

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