第2話 男子高校生編
玄関を開け閉めし、そのままこの部屋へと近づいてくる音が聞こえる。そしてドアが開かれた。少し小柄なその少年は、部屋着に着替えることもなくベッドに倒れ込んだ。何があったというのだろう?それに今はまだ昼間だ。学校が早く終わったにしては随分とテンションが低いではないか。
その少年は深い溜め息を吐き出したかと思えば、おもむろに起き上がってポケットからスマホを取り出し、何やら文字を打ち始めた。一体誰に送るつもりだろう?ここからではよく見えないので、彼が身につけているネクタイへと乗り移った。カレンダーとはお別れだ。
「今日はつい帰っちゃったわ」軽いノリの文面だが、依然として少年は真顔のままだ。「なんで帰ったん?」相手はどうやら同級生らしい。「あの先生が嫌だから?」そのまま次の文が送られてきた。「うん…でももうすぐで進級だし、もしかしたらあの先生も異動するかもしれないけどね」「2年になってもいたらやだね…そろそろ休み時間終わるからまたね」「うん」
少年は、また溜め息を作っていたらしい。先ほどから表情が優れない。それにしても、なかなかさっぱりした良い友達じゃないか。何かと悩みを抱えがちな学生時代…うんうん、これもまた青春のひとつだ。
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