第346話


 巨人の周りを飛んでいたアルマとRは瓦礫と化した体の一部を避けていたが、数が多く勢いもよいため、当たらないために徐々に後ろに下がっていた。それは下にいたラウラも同様で、瓦礫によりだんだんと壁が生成されていく。

 しがみついたり乗っていたカイとシャリア、ミカとリオ、フラージュは瓦礫と一緒に飛ばされていく。カイとシャリアは地面と平行に飛ばされていき、ミカ達3人は上空に飛ばされていた。

 カイとシャリアは飛ばされる威力がかなり強く、瓦礫にへばりつくことしかできなかったが、指がかろうじて動かせたためリオから借りた爪を1本だけ下に落とす。

 しばらくしてから爪のある場所に転移をする。そのため地面に無事に降り立つことができた。

 上空に打ち上げられたミカとリオ、フラージュは下から飛んでくる瓦礫をよけながら落下していた。フラージュは透明化をとき、飛んでくる瓦礫を足場にすることでミカ達と合流していた。


「こちらをお使いください」


 カイ達に渡したとき同様にリオは爪をミカ達に投げ渡す。それを受け取ると、ミカ達は瓦礫を足場にして下に向けて蹴りだす。

 ミカ達が下に向かい始めるのと同時にミカ達よりも上空にある瓦礫が一斉に落下を始める。それは重力のよる落下よりもかなり早く、飛んでくるときと遜色ない速度で落ちてきていた。

 地面と平行に飛んで行った瓦礫は地面につく前に逆再生するかのように巨人のあった場所に向かって集まり始める。すべての瓦礫が同じように集まり始め足からだんだんと巨人をまた形作り始める。


 ミカとシャリアととラウラは問題なかったが、後ろや上から飛んでくる瓦礫を避けるためミカ達が避ける動作に入る。

 アルマとRは後ろに向くことで避けることができていたが、ミカ達が問題だった。地面に向かっている途中のため、足場はなく、翼があるわけではないため空中では身動きがとれないその状態で飛んでくるため避けられない状況かと思われたが、対処することができた。ミカ達は下に降りるのを止め、落ちてくる瓦礫を避けるようにして爪を投げ飛ばす。そして、瓦礫に当たる前に転移をし、爪を回収すると、再度瓦礫のない場所に向かって爪を投げて転移をする。それを繰り返すことで瓦礫をすべてよけきることができた。


 瓦礫を避けきることができたが、落下をし続けている3人の元にアルマとRが接近し、回収する。

 アルマとRが降り立ったのは地面ではなく、完成した巨人の肩に降り立つことができた。

 先程までであれば、巨人が3人に向けて攻撃を仕掛けるはずだったが、今度は動くことなく、抵抗を見せなかった。そのため地上にいるカイ達も警戒しながら近づき始めていた。


 だが、抵抗を見せないのは罠であり、巨人の体からハルマ?が出した黒い水が出始めていた。最初は少しづつ出ていたそれはすぐに勢いよく出てくるようになっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る