40話
「学園長、報告が来ています。」
副学園長が学園長に報告書を2つ渡す。1つは本日のAクラスのダンジョン探索の報告書だった。
「重傷者は1人、死者0か。」
それなりの量があった書類を学園長はすぐに読み終わった。
そして、副学園長に渡されたもう片方の報告書を読み始める。
先程の報告書と違いゆっくりと、1つ1つ深く理解するために読んでいく。
「この短い期間に2体もオークファイターを作るとは...。恐ろしい。」
その報告書を読み進めるたびに学園長は口角を上げていく。笑顔になっていたが、その笑顔はとても不気味な物だった。
「研究所からは、実験のために3日間はダンジョンに立ち入らないでほしいと連絡を受けています。」
「そうか。」
「それと、生徒を何人かほしいと研究所から要請がありますがどうしましょうか?」
学園長は少し考えたが、すぐに答えを出した。
「Fクラスの生徒を渡す。FクラスのみAクラスと同じダンジョンにする。その時に攫わせろ。」
「わかりました。渡す生徒は私が選出してもよろしいでしょうか?」
「任せる。」
それ言われると副担任は学園長室から出ていった。
学園長はその後も不気味な笑顔のままだった。
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場所は変わり医務室。ここにはヒースと、オークファイターに切られた男子生徒が寝ていた。
ヒースは数ヵ所骨折していたが、それ以外は問題が無く、切られた生徒も処置を施し、あとは安静にしていれば大丈夫という状態だった。
(この傷の具合を見るとオークにつけられた...?教師がいてこんなに酷い傷が...?)
急に生徒と教師が2人を背負ったまま入って来て、処置しろと言われただけであった。その生徒は、ヒースの取り巻きとAクラスの担任であった。
言われた通り処置をし終わり、大丈夫だと言うと生徒と担任は出て行ってしまった。
そのため、医師はどうしてこうなったのか知らなかった。
(これは少し調べたほうがよさそうですね...。)
ただ、生徒を残して医務室から出て行くわけにもいかないため、当分は調べられそうになかった。
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ダンジョン探索をした翌日、ミカはアルドレッドとセレスに会っていた。
4階層でまたオークファイターが出たことを報告するためだ。
「そんなことがあったのね...。」
「こんなに頻繁に起こるなんて聞いたことがねえなぁ。」
「前回のダンジョン探索でもオークファイターが出たことは学園に伝えたんですか?」
「えぇ、伝えたわ。」
「おそらくこんなに短いスパンでまた起こるとは思ってなかったんだろうな。」
「今日探索してる人たちも遭遇するかもしれないですよね...?」
「それは無いな。俺たちはEクラスのダンジョン探索に参加することになってる。今日変更の連絡が来た。探索するダンジョンを変えるそうだ。」
アルドレッドとセレスには、今朝学園から探索のダンジョンを変えると連絡が来ていた。2人は生徒の安全を取るために変更するのだと考えていた。
「それだったら安心して大丈夫ですかね?」
「そうね。ただ、今後はAクラスが探索したダンジョンは注意した方が良いかもしれないわね。」
その後はダンジョンで何があったのかを大雑把に2人に報告していた。
この時の2人の顔は、最初はしかめ面になっていたが、最後にはオークファイターをミカが倒したことを聞き、セレスがミカの成長を知れてとても嬉しそうな顔をしていた。
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B~Eクラスのダンジョン探索はAクラスとは違い、全く問題が起きず、怪我をしたとしても軽い切り傷などの軽傷だった。
そして、カイ達Fクラスの生徒がダンジョン探索する日になった。
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ここまで読んでくださりありがとうございます。
2章を書き終わった時に全ての話を訂正や説明不足の所の補足説明などを入れます。
なので、間違っているところなどわかりずらい所、意見などをコメントしていただけると幸いです。
また、訂正箇所や補足説明を入れたところは近況ノートで報告いたします。
今後も「無能判定されたけど間違いだった!?~実は最強の氷炎使い~」をよろしくお願いします。
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