第6話
カイが自分の魔力は感じ取れないのに少女の魔力を感じ取れることに疑問に思っていると。
「まず、自己紹介。私はラウラ。この森に魔女がいるって聞いたことない?」
「噂くらいなら…たしか兄上が言ってた…」
「その魔女が私。自己紹介終わり」
「いやいや!?まだわかってないことたくさんあるよ!?」
「わかってる。これから話す」
これから話してもらえると思っていた分かなり焦ってしまったが、話してくれると言われたためおとなしく聞くことにした。
「まず私が森にいる理由これはまだ言えない。」
「言えないの!?」
「いずれ言う…と思う」
「それは置いといて。聞きたいのはカイがどうして私の魔力を感じ取れるかだっけ?」
「まずそれを聞きたいです……」
「わかった。それを話すなら先に適性魔法について詳しく説明する」
そう言うとラウラは水を一口飲むと話し始めた。
「私の適性魔法は風。魔法で大きな熊の魔物の首を切った」
「もしかして、俺の隣を過ぎていったなにかはラウラの魔法?」
「そう風で刃を作った。不可視で速くて便利」
「魔物ってモンスターのこと?」
「今はモンスターって言われてるの?」
「あの熊のことを魔物と言うなら今はモンスターって言われてるよ。少なくとも俺は魔物とは聞いたことが無い」
「そっか。じゃあモンスター。それで適性魔法っていうのはその人が持ってる魔力がその属性だったということ。つまり適性検査で炎と出た人は炎の魔力を持ってるってことになる。けど同じ属性の魔力だとしても魔力は1人1人違う。ここまでが適性魔法の説明。カイは適性魔法を複数持ってる人がいるのは知ってる?」
「かなり珍しいって聞いたことあるよ」
「そう、珍しい。珍しい理由は、1つの体で複数の魔力を持つのが難しいとされてるから」
「この話がラウラの魔力を感じられることにつながるの?」
「つながる。私は氷の魔力を持ってた」
「持ってた?どういうこと?魔力が無くなったってこと…?」
「正解。もともと氷の魔力は親友が瀕死の時に私が渡されて手に入れたもの」
「渡された…?魔力を人に渡すことなんてできるの?」
「できる。
ラウラから衝撃の言葉を聞き、初めて人が死ぬということを聞き混乱していた。
「カイ落ち着いて。お茶飲んで」
カイがお茶を飲み落ち着いたのを確認したラウラはまた話し始めた。
「話しずれた、戻す。複数の魔力持ちはどんなに探しても相反した属性を持っていることはない。代表例が光と闇。だけど他にもある。何かわかる?」
「…炎と水とか?」
「おしい。氷も入る。水と氷を持ってる人はいるけど。炎と水。炎と氷。あと光と闇。この2つずつで持ってる人は自然にはいない。」
「…それはわかったけど、なんでこんな話しをしたの?」
「ここからが大事。私は親友から貰った氷の魔力によって氷の適性魔法を持ってたけど氷の魔力と相性が悪かった。だから親友ほど使いこなすことができなかった。氷の魔力と相性が良い人を長い間探してた」
「長い間…?ラウラ15歳くらいにしか見えないけど…?」
「それは親友にかけてもらった魔法のせい。実年齢は…覚えてない」
「え、じゃあ、おばあちゃ…グフッ」
カイが言おうとした瞬間、ラウラが鳩尾に拳を叩き込んだ。
「なにか言った?」
「ナ、ナニモ…」
「ん。で、3年前くらいに森を散策してるときに氷の魔力が共鳴する感覚がしたからそっちのほうに行ったら男の子がいた」
「まさか…」
「その男の子がカイ」
「待って!?俺はラウラと会った覚えはないよ?」
カイはおかしく感じた。たしかに過去に会った人すべてを覚えていることは無いとは思うが、それでも、会っても思い出せないということは無いと思ったからである。
「覚えてなくて当然。私が記憶を消したから」
「どういうこと…?」
ラウラは突然立ち上がり棚から小箱を持ってきた。
「この家には
「この
「…なんで俺の記憶を消したの?」
「それは…」
ラウラは答えにくそうにしたが渋々答えた。
「それは私のミスだった。カイに氷の魔力を渡した時カイの中に元々あった魔力と渡した氷の魔力が反発した」
「待って?それが本当だったとしてどうして反発したの…?」
その後カイは聞いたことに対して困惑するしかなかった。
「カイにはもともと炎の魔力があった」
補足説明
魔力が無くなるとありましたが、魔法を撃ったりすると魔力を消費し、それを続けると撃てなくなる時があるのですが、そのときでも魔力が少しは残っているため死ぬことはありません。ですが、倦怠感など頭痛などを起こします。消費した魔力は時間経過とともに回復していくものとなっています。
複雑になってしまったので、
(適性魔法は〇〇=〇〇属性の魔力を持っている)
と考えていただけたら幸いです。
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