第2話 出会い
星というものは何とも残酷なものだ。
死ぬ時に限ってここまで美しいとは。。。世の中というのは何とも皮肉なものだ。
親の快楽の為だけに生まれて死ぬ時は自己責任。これがこの世界なのかもしれない。
静寂な世界。僕だけしかいない。風すら吹かないつまらない世界。ここから一歩飛び出せば世界は滅ぶ。こんな世界滅んでしまうべきだ。
「星が綺麗ね」
美しい女性の声が聞こえた。
「ミカ、、、さん??」
そこには、清楚で勉強、運動共に優秀な僕とは真逆の清宮ミカがいた。
「どうしてここに??」
暗闇から現れたミカ。
「私も星を見にきたのよ、、アズマ君」
「星、というのは残酷よね。あんなに美しく輝いているのに誰も手に入れることはできない。まるでアズマ君のよう、、、」
「僕は、、星なんか、、じゃないよ」
「そう、、」
ミカは悲しそうだった。
「一緒に星を見ていい??」
「僕は、やることが、、、帰っ」
ミカはとっさに僕の手を掴んだ。
「いいよね?」
少女の温かいエネルギーに圧倒される。これから死ぬ人間の冷たさとは真逆だ。
なぜか、僕の心が温まる。そのような気持ちは何年ぶりだろう。
「分かったよ」
僕とミカはしばらく星を見ていた。
「私、人間にはみんな生きる意味があると思うの」
「意味なんてない。あの星のようにただ存在しているだけだよ」
「そうかもしれない。でも、あの星たちは楽しそうよ?」
「人間に明るさや暗さを競い合わされ、結局は忘れられる。みんな悲しく独りで輝いているだけだよ」
「でも、アズマ君は独りじゃないよ」
ピラミッド @DenjikinoTA
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