第二章 仕事は楽しいです
第二章①
放課後、生徒たちは思い思いに過ごす。
部活動とまではいかないが、
どこのグループにも所属していないミリアの放課後の過ごし方は、
冬休みを終えてから全く行っていなかったが、ストレスが
ローズが転生者なのか確かめようにも、ミリアが近づこうとするとことごとく
国内
試験前には自習をする生徒で
たまに、学園外から蔵書を求めてやってくる研究者のような人も見かけた。
ミリアが目指すのは、そういった
本を日焼けから守るために窓には分厚いカーテンがかけられていて、館内は
ぽつりぽつりと
本は手書き
父親に何冊か買ってもらっていたが、シリーズものを全巻
それがここには全てある。
この場所を見つけた時には、この学園に入学できたことを心の底から感謝した。貴族になどなりたくはなかったが、これだけは良かったと言える。
ミリアは本棚から一冊
本棚の間にも閲覧席があるが、光源はランプしかない。時おり
しかし、図書館の一辺にある閲覧スペースにはカーテンがなく、ガラス
試験前には真っ先に
ミリアはさっそく空いているテーブルに着き、わくわくしながら本を開いた。
「はぁ……」
最後のページを読み終えたミリアは深くため息をついた。
特にラストが良かった。ヒロインの
ぱらぱらとページを
二人の気持ちはまだ通じ合ってはいないが、両想いであることは
じれったい。だがそれがいい。
早く続きを読まねば。
「わっ」
顔を上げたミリアは、目の前に人がいるのに気がついて
同時にここが図書館であることを思い出し、ぱっと口を
向かいに立っていたのはアルフォンス・カリアードだった。
席に座るでもなく、ただそこにいてミリアを見ていた。
「何かご用ですか?」
「いいえ、通りかかっただけです」
通りかかっただけって……。
いつからいたの?
かぁっとミリアの
読みながら絶対にやにやしていた。少なくともラストは。
ヒロインがさらわれ殺されそうになる所は手に
最後だけなら……いや、にやけ顔が一番やばい。
そこは
ミリアがアルフォンスをにらんだが、その無表情は変わらなかった。
何を考えているのかわからない。これなら笑われた方がましだ。
用がないならこちらも構うことはない。
ツンと顔をそむけ、ミリアは立ち上がった。無視して続きを取りに行くのである。
「令嬢がそこまで感情を表に出すものではありません」
ぐっ。
冷ややかに言われた言葉に、やはり見られていたのだ、と
「ご忠告、ありがとうございます」
ミリアは、アルフォンスに言われた通り、作り
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