第08話 無意識って怖いよね
次に僕が目を覚ました時には既に太陽は沈み、空は夜の帳を下ろしていた。
どうやら、半日ほど眠っていたみたいだ。
痛っ。まさか、最後の最後で気を失うなんて思ってもいなかった。
辺りを一応確認するが、モンスターの気配はない。
よかった。また、戦闘になったらどうしようかと思ったところだ。
安心して再度、地面に腰を下ろすと何かが腕に当たる。妙に固い感触にその物体を手に取ってみると、それは蜘蛛のバラバラになった外殻の一部だった。
どうやら、僕の攻撃の反動でここまで飛んできたらしい。
「結局あのパワーアップは何だったんだろう? もう、力は感じないけど」
拳を握りしめてもあの溢れる謎の力は出てこなかった。
それにしても、あの力は凄かったなぁ。いくら殴っても致命傷すら与えられなかった蜘蛛野郎のこともたった一発で粉砕しちゃうぐらいだもの。
あの力をコントロールすることが出来ればかなりの戦闘力アップになる。
でも、どうすればあの力を自由に扱えるんだろう?
何か条件を満たせばいいみたいだけど、別に特別なことはしてなかったと思うし。
(うーん。【
そこで気づいた。なんだか、下半身に違和感がする。
風が吹くと冷たいのだ。まるで水でびしょ濡れになった服を着ている時みたいに。
僕は恐る恐る視線下半身に向ける。すると、そこには水浸しとなったマイサンの姿があった。
いや、よくよく確かめてみると、これは水じゃない。
この微妙に生ぬるい温度、水よりも粘度の高い感触。
そこは僕が慣れ親しんだ白色の粘液に覆われていた。
「なして……!?」
おう、驚愕のあまり変な声がでちゃったよ。
でも、いつの間に僕はイってしまったんだろうか? あの時は必死だったから、全然気づかなかった。
仮にあの変な声が僕の絶頂に反応したとしたら、蜘蛛に引きずられてる時だけど、そんな余裕はなかったし……
「いや、待てよ? 本当にそうか?」
確かあの時、僕うつ伏せになって引きずられていたはずだ。その条件下で僕が絶頂に達したとすると、当てはまるオナニーの種類は一つしかない。
そう――つまりは、床オナだ。
床オナとはムスコを床やベッドなどといった場所に擦りつけることで快感を覚えることができるエクストリームなオナニーのことだ。
危険度は高いが、このオナニーにはある特徴が存在する。それは通常のオナニーと違って、ムスコが立ち上がらなくても絶頂を迎えられるという点だ。
きっと僕はあの時、無意識下のなかで条件を満たしていたのだろう。ほら、生物って死ぬ間際におそろしく性欲が高くなるっていうじゃない?
「なにはともあれ、これで大きな収穫が一つできたな」
どうやら僕はこの世界ではオナニーすれば、とんでもなく強くなれるらしい。
やはり、僕らはどこまでいっても親友だな。たとえ世界が変わろうとも、僕とオナニーの絆は揺るがない。
異世界特有の紫色の月を見ながら僕は、しみじみと感慨深く物思いに耽る。
明日からはきっと、今まで以上にこの森について調べることができるだろう。
だけど、その前にやることがある。
「まずはこのパンツとジャージ、乾かさないとなぁ……」
溜息を吐くと、僕はエロゲで習得した火起こしの技術を活用するべく立ち上がった。
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