第6話
やっと、やっと友達とたくさん遊べるはずだったのに、インフルエンザ等による学級閉鎖で学校に行けなくなった。
そのまま、続いて一斉休校とか言って休みになってしまった。結局なっちゃんとは会えずじまいだった。
初めてのことで子供たちが心配だから、とママもパートを3週間も休んだ。
和凪が
「こんなに休んでて大丈夫なの?」
と聞いた時、
「ママが家族の中じゃ1番感染リスクが高いからなあ。あなた達を家に閉じ込めて我慢させてるのに、私が通勤の電車や会社でもらって来たら意味ないもの。こういういざと言う時に子供優先で休むためにパートで働いてるんだから、堂々と休んでやる!」
ってママは笑ってたけど、3週間経って久しぶりに出勤する朝は不安を口にしていた。でも、帰って来た時はいつものようにテンション高く
「丸々3週間休んだのはママだけらしくてそこは言われたけど、おおむね、みんな優しくてホッとしたー。クビになるまでここで働こうって思ったわ!」
と笑ってて、いい職場なんだなって私もホッとした。
由奈ちゃんがグループラインを作ってくれて、顔は見れなくてもみんなとおしゃべりはできた。なっちゃんのお母さんも無事に退院して、なっちゃんは家に戻っているらしい。
会いに行きたいとママにお願いしたけど、
「何のために今学校すら休みなのか考えて。なっちゃんのお母さんの体調が良くないなら、なおさら」
と言われて、許してはもらえなかった。
みんなと会えたのは、卒業式当日だった。暖かい日が多かったのに、その日は寒かった。
卒業式もできないかもしれないって心配してたから、できて良かった。一度も練習できていないから、開式の1時間前に集まって式の流れを教えられてすぐ本番だった。
いつもふざけてばっかりだった男の子たちも、真剣な顔でちゃんとやってて少し驚いた。
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