第5話

 私はものすごく人見知りだから、6年かけて友達が増えた。2年生までは友達って友達はいなかった。でも、気にもしていなかった。


 2年の途中でなっちゃんが転校して来て、なんかなぜか仲良くなった。あまり覚えてないけどたぶん、1人で絵を描いて休み時間を楽しんでた私に


「絵、上手だね」


 って声をかけてくれたのが最初だと思う。転校したばかりだったから、1人でいる私には話しかけやすかったのかもしれない。


 なっちゃんは人懐っこい性格で、私の他にもいろんな子に話しかけていて、なっちゃんの友達の友達として私の友達も増えた。


 そのうち、絵がプロ級に上手な綾香ちゃんとも気が合うのが分かって、私は今の中学校のクラスの女子の中で1番背が低いくらい小さいけれど、小学校の時でもう160センチにまで身長が高かった由奈ちゃんとも仲良くなった。


 勉強が苦手な凛ちゃんには宿題を教えたりするうちに頼ってくれるようになって、私も嬉しくて仲良くなった。


 先月、バレンタインに集まったなっちゃん、由奈ちゃん、凛ちゃん、綾香ちゃんと私、5人でいることが多くなったのは、私が受験生になった6年生になってからだった。


 去年のバレンタインは、受験も終わったし、たくさん遊ぼう!


 って、とってもワクワクしていた。


 それまでは、塾のない日しか遊べなかったし、受験前の時期は塾のない日もずっと勉強してたから全然遊べなかった。この、受験が終わってみんなと一緒に遊べるのを心待ちにしてた!


 ママとパパにお願いして、すぐに合格祝いのスマホを買ってもらった。


 和凪の高校受験合格のお祝いにスマホを買った時は、高校生になる4月になってからね、と卒業式の時に和凪はスマホを持っていなかった。みんなといっぱい写真撮ったけど、僕は1枚もない、とポロッと言ったのを親は気にしていたみたいで、和凪にごめんねって言って、あっさり買ってくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る